「ここに戻ってこられたのは奇跡」頭蓋骨骨折から9か月ぶりのカムバック!ヒメネスが復帰までの道のりを語る

2021年08月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

事故直後の記憶は曖昧

ヒメネスは頭蓋骨骨折という、選手生命を危ぶまれる危機から見事に復帰を果たした。(C)Getty Images

 奇跡の生還を果たしたウォルバーハンプトンのメキシコ代表FWラウール・ヒメネスが、インタビューに対応した。英紙『Daily Mil』が伝えている。

 2020年11月29日――。プレミアリーグのアーセナル戦で、いつものようにCFで先発したヒメネスにまさかの悲劇が襲ったのは、開始わずか5分だった。自陣でのCKの際に相手DFダビド・ルイスと、頭同士で激しく接触。D・ルイスは大事には至らなかったものの、ヒメネスは頭蓋骨を骨折し、選手生命を脅かす大怪我を負ってしまったのだ。

 事故後には医療チームに頼んで、複数の異なる角度から撮影した接触時の映像を送ってもらったというヒメネスは、おぼろけながらも、当時の出来事を振り返った。
 
「スタジアムに到着したことは覚えている。ドレッシングルームに荷物を置いて、ピッチを見に行った。やがてチームメイトと共にドレッシングルームに戻って、それから『消灯』という感じだった。だけど、それ以外のことや、病院で初めて目を覚ましたときのことは覚えていない。入院中のことはいくつか思い出せるが、はっきりしたものはないんだ。僕にとっては何もなかったようなものだから、何が起こったのか見てみたいと思った」

 ただ、医学者が完全な健康状態に戻ることを保証できなかったその初期の頃でさえ、30歳のストライカーは、自分がキャリアを再開することを疑わず。懸命にリハビリを続けた甲斐あり、今ではほぼ通常の生活を送ることができるところまで来た。

「本当にここに戻ってこられたのは奇跡だ。頭蓋骨が骨折して、脳が少し出血していた。それが脳を内側に押しやっていたので、手術は迅速に行なわなければならなかったんだ。医師たちが本当によくやってくれたおかげで、僕はここに戻ってくることができた」
 

次ページ開幕戦でヘッドガードをつけて先発。相手からは嬉しいサプライズも

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事