「これが今の世界の中での私たちの実力」なでしこ主将の熊谷紗希、女子サッカーの現状に訴え【東京五輪】

2021年08月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

なでしこはベスト8で敗退という結果に終わった

主将としてチームを引っ張り、最終ラインで体を張っていた熊谷。 写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 なでしこジャパンの主将を務めた熊谷紗希が7月31日、自身のインスタグラムで胸中を吐露した。初戦のカナダ戦後に、ファンへの感謝を綴って以降はSNSの更新を控えていた30歳のベテランは、オリンピックを振り返り、日本女子サッカーが内包する問題と、そして未来について率直な意見を綴っている。

 熊谷はまずフランス語で「ページをめくる…」と前置きしてから、「昨日、私たちのオリンピックへの挑戦が終わりました」と報告している。

「このオリンピックに向けて全てをかけて準備してきて、自分の全てを出しましたが、結果に繋げることは出来ませんでした。応援してくれている方々のためにも、なでしこを目指すサッカー少女たちのためにも、もっと先に行きたかったですが、自分たちの力が及びませんでした。これが今の世界の中での私たちの実力だと思います」(原文ママ)

 さらに、「日本の女子サッカーが世界で勝つために何が必要なのか?」と問いかけている。
 
「3年前のフランスW杯での敗戦から私たちは何を学んで、どう成長したのか?ずっと課題とされているフィジカルの差をどううめていくのか?今一度真剣に考えて、世界と闘う術を、そして世界に勝つための術を個々がもっと見出して、成長していかなければいけないと思います。個の成長を、チームの成長に、そして日本女子サッカーの成長に繋げていけるように、またここから日々精進していきたいと思います」(原文ママ)

 また、最後には感謝の言葉を綴った。

「このような状況の中、東京オリンピック開催に尽力を尽くしていただいた皆様をはじめ、各会場や選手村でサポートしてくれた皆様、最高の舞台を作っていただき、本当にありがとうございました。自国開催のオリンピックという夢の舞台で、プレーできたことを誇りに思います。本当に感謝しています」(原文ママ、以下略)

 この投稿には、男子サッカーにOA枠で参加している吉田麻也が拍手の絵文字を送り、なでしこOGである丸山桂里奈さんは「さき、かっこよかった」とコメント。熊谷は「かりちゃんありがとう」と返信し、ファンからも多くの労いが集まった。

 9月にはプロリーグであるWEリーグが設立され、日本の女子サッカーは転機を迎える。熊谷のいう「世界の中での実力」を底上げするために、一体何が必要なのかを考える好機とすることが出来るだろうか。

構成●サッカーダイジェストweb編集部

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【五輪代表PHOTO】日本女子1-3スウェーデン女子|田中の得点で同点に追い付きペースを掴むも追加点が遠く... なでしこはベスト8で大会を去ることに

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