「ただただ力不足」長谷川唯がスウェーデン戦完敗を語る。なでしこ再建のカギは「もっと理論的に」【東京五輪】

2021年07月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

前半のうちに同点に追いついたことは「成長だと思う」

今大会2つのアシストを記録し、個人技術の高さを披露した長谷川。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 なでしこジャパンの東京五輪は終戦を迎えた。

「相手のフォーメーションとのハメ方もあって、本当にフリーの選手が多くて、FWの1個下というか中盤の選手がフリーで受けるシーンも多くあった。もっとチャンスをつくれたし、もっとゴールに迫るシーンもつくれたというのが印象。もったいないというか、ただただ力不足だと感じた」
 試合後にそう完敗を認めたのは、長谷川唯だ。

 7月30日の準々決勝でスウェーデンと対戦した日本は、立ち上がりに失点を許す。

「早い時間に先制されたのは、今までも反省してきたなかで高さでやられた。その中でもチームで落ち着いて取り返そうというところで立て直した。前半で返せたのは成長だと思う」という長谷川のクロスから田中美南が合わせて前半のうちに同点に追いつき、ペースを握る時間帯もあった。

 しかしその勢いを持って突入した後半では、「相手が少し変えてきて修正してきて、その上をいくプレーができていなかった」との言葉どおり、上手く防がれカウンターから2失点。ボールを保持しても解決策が見いだせず、さらに、一発勝負のトーナメントでビハインドを背負った終盤でもチャンスらしいチャンスも作り出せなかった。
 
 もちろんフィジカル、特に高さとスピードの差は大きいが、前半は同点で戦えていただけに、その後の修正力、交代カードや采配、トーナメント戦での戦い方、ひいては分析やスカウティングなど挙げればきりがないが、日本女子代表全体の力不足というのは否めないだろう。

 今大会を振り返って長谷川は、「共通認識」を課題に挙げ、こう指摘した。

「とくにイギリスやスウェーデンは高さやフィジカルがありながらもつないでくる、しっかり良い位置に立って、ポゼッションをしてくるチームだった。今まではこういう速い選手は裏に走って一本で、というところが多かったが、今欧州のサッカーが変化してきている」として、「本当にどうやって戦っていくか考えないといけない。もっと理論的にじゃないが、どこに立つと、こういう選手が空いてくるというのも理解しながら対応していかないと…なかなか自分たちよりもフィジカルが勝る相手に対抗するのは難しい。そこはもっと細かく詰めないといけない」

 イタリアの名門ミランに所属する157センチの小柄なテクニシャンは、2年後のワールドカップ、3年後のパリ五輪で再びなでしこに黄金期を築けるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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