「誰もが知るニュージーランドじゃないよ」日本戦を前に英雄ウッドが不敵な笑み。“新世代”の力量に太鼓判【東京五輪】

2021年07月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

守備の要リードの戦列復帰は「20%くらい」

精神的支柱であるウッド(左)を中心によくまとまっているU-24ニュージーランド代表。運命の日本戦に臨む。(C)Getty Images

 いよいよ今夜、東京五輪・男子サッカーの準々決勝が開催される。

 U-24日本代表の相手は、快進撃を続けるニュージーランドだ。グループBを1勝1分け1敗で2位突破し、五輪で初めて決勝トーナメント進出を果たした。しかもFIFA主催の世界大会で振り返っても、世代別を含めて男子はベスト16が最高位で、8強の壁を崩した過去がない。同国サッカー界は沸きに沸いており、日本戦への関心度はすこぶる高まっている。

 ニュージーランドのスポーツメディア『STUFF SPORTS』は、「グループリーグの3試合でオリーホワイツ(U-24ニュージーランド代表の愛称)はそれぞれ違う顔を見せた」と分析。「韓国戦では鉄壁のディフェンスを、ホンジュラス戦では攻撃で決め切る力強さを、そしてルーマニア戦ではゲームを支配する高質なボールポゼッションを披露した。このすべてが彼らの長所で、強敵の日本を相手に、どうバランスを取って戦い抜けるかがカギだ」と続けた。

 チームを指揮するダニー・ヘイ監督は「このオリンピックで試合を重ねるごと若いチームは成長している」と話す。日本対策はもちろん進めているとしたうえで、「大事なのは自分たちがどう戦うかだ。日本が相手だからといって、特別に戦い方を変えたりはしない。むしろ敵はカシマスタジアムの暑さだよ。そこをしっかり考えたい」と気を引き締めた。そして「あと1試合勝てば、メダルを争えるステージに行ける。どれだけエキサイティングな状況か。貪欲にチャレンジするのみだよ」と意気込んだ。

 やはり気になるのは、オーバーエイジ枠のベテランDFウィンストン・リードの膝の具合だ。ホンジュラス戦の開始6分に負傷して交代を余儀なくされ、ルーマニア戦ではベンチ外となった。プレミアリーグで長く活躍した百戦錬磨の猛者が、日本戦に間に合うかどうかは重要なファクターだが、ヘイ監督は「(フィットできる)可能性は20%くらいだろう」と悲観的な数字を示した。
 
 もうひとりのオーバーエイジ枠で国民的英雄のFWクリス・ウッドも、現在のチーム状態に目を細めるひとりだ。主力の多くは2019年のU-20ワールドカップを経験しており、ベスト16でPK戦の末に敗れたものの、強豪コロンビアを土壇場まで追い詰めた。

「準々決勝に進めるなんてファンタスティックの一語に尽きるよ。チームとしても国としても偉大な成功であって、間違いなく誇れる成果だ。このチームはなんていうのかな、俺にしてみれば特別な感じで、違和感がある。なぜなら、過去の誰もが知るニュージーランド代表はここにいない。この若者たちは自分たちの力を信じて、組織的でコレクティブなフットボールをしているよ。すべてがポジティブだ。ポテンシャルに満ち溢れたチームなんだ」

 すでに歴史的快挙を成し遂げているニュージーランドは、重圧とは無縁であり、高まるモチベーションのままに日本戦へなだれ込む。侮ってかかると、痛い目に遭いそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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