【京都】“古都のネイマール”奥川雅也が追い求めた夢

2015年06月08日 雨堤俊祐

クラブへの感謝の気持ちを胸に秘め、海外への扉を開く。

6月7日の練習後に取材に応じた奥川。海外でプレーするという「小さな頃からの夢」を見事に叶えた。 写真:雨堤俊祐

 "古都のネイマール"の異名を取る奥川雅也が、海外への扉を開いた。
 
 レッドブル・ザルツブルク(オーストリア1部)へ移籍が決まり、「海外でプレーするという小さい頃からの夢が叶って嬉しい」と喜びを口にした。新進気鋭のドリブラーが注目を集めたのは、2014年1月のU-18日本代表のロシア遠征だった。国際大会で優勝した際のプレーがスカウト陣の目に留まったのだ。
 
 ザルツブルク以外にもリバプールやレバークーゼンからオファーが届いていたが、「自分のことをよく見てくれていて、必要とされる熱意を一番感じました。ここなら成長できると思った」(奥川)と、ザルツブルクへの完全移籍を決断した。
 
 今季開幕前に現地へ渡って練習環境や施設を見学した際、クラブ関係者からドリブルや運動量、スピードに乗ったプレーを評価され、同時に守備面での課題も指摘されたという。そうしたやりとりや充実した施設、そして若手に積極的にチャンスを与えるクラブの方針などが決め手となった。なお、契約期間は複数年となったようだ。
 
 一方で奥川は、「中学からサンガに入ったのが、ここまで来られたきっかけでした。U-15では楽しいサッカーをやらせてもらって、タイトルも獲れた。U-18では最後に怪我をしてしまいましたが、自分にとってはすべてがプラスになった6年間だったと思います」と下部組織から在籍したクラブへの感謝を口にし、こう胸中を明かした。
 
「(今回の移籍に関しては)プレーで恩返しするという意味でもすごく迷いました。サポーターからも応援してもらっていて、そういうクラブを離れるのは残念だけど、自分が活躍することで違う意味で恩返しになるのかなと。
 
 サッカー人生の中で海外に行けるチャンスは少ない。最初は『(今の)自分のレベルで行けるのか?』という迷いがありましたし、少し早いかなとも思うけれど、少ないチャンスなので決断しました。これをどう活かすかは自分次第です」

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