【なでしこジャパン|イギリス戦プレビュー】最大の脅威は9番ホワイト。熊谷、南が五分に渡り合えるか?

2021年07月24日 西森彰

キックオフからイニシアチブを取りに行きたい

グループステージ2節、日本対イギリスの予想フォーメーション。

[東京五輪女子サッカー|GS第2戦]日本×イギリス/7月24日(土)/札幌ドーム

 カナダ戦で、苦しみながらも勝点1をもぎ取ったなでしこジャパン。第2戦の相手は、初戦でチリを破っているイギリスだ。イングランド、ウェールズ、スコットランドから代表選手が集まった混成編成だが、マンチェスター・シティなどクラブの連携を流用できる部分も多い。中心となるイングランドは、2015年頃まではフィジカルを前面に押し出すチームだったが、フィル・ネヴィル前監督就任後は、地上戦にも開眼。スピード感のあるボール運びと、高さを活かしたクロスのどちらも脅威だ。

 最大の脅威は、最前線でターゲットになる9番のエレン・ホワイトだ。どんなボールにも対処し、ゴールに叩き込むストライカーで、2011年、2019年の女子ワールドカップなどで、日本もゴールネットを揺らされてきた。今大会も、いきなり2ゴールと好調を示している。サイドから中央へ切り込み、ゴールへの意識が高いヘンプも要警戒。
 
 イギリスは、最後にカナダ戦があり、初戦とメンバーを数名、入れ替えそう。別表の布陣図には、右サイドハーフに突破力あるパリス、ウォルシュのパートナーには大型ボランチのジル・スコットと、初戦で足慣らしをしたふたりを選んだ。トップ下の有力候補であるカービーは、チリ戦がベンチ外。なんらかの故障を抱えているなら、再びリトルが入るか。中央、サイドを問わないポリバレントなスタンウェイやウィアーが2戦続けて先発し、パリス、ヘンプを後から投入する選択肢もある。

 日本としては、センターバックがホワイトと五分に渡り合い、ゴールキーパーがハイクロスを正確に処理するのは絶対条件。叶うならば、右サイドバックのブロンズなど、クロスの出どころそのものをしっかり抑えたい。また、生命線となっているパスワークが、ここ2戦、大きく乱れている。マイボールを保持し続け、相手の足を確実に潰すことは、守備面でも有効。菅澤、塩越を切り札としてセットで残し、長谷川、岩渕との連携では上回る、田中、籾木の先発起用で、キックオフからイニシアチブをとりにいくべきではないだろうか。

文●西森 彰(フリーライター)
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