【釜本邦茂】気持ちでも負けていない堂安、久保は日本の大きな武器! メダル獲りへ鍵を握るアタッカーは…

2021年07月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

粘り強く相手の攻撃を凌ぎ続け、久保のドリブル突破から堂安の左足ボレーというワンチャンスをしっかり活かしきったゴール

U-24日本代表の攻撃を牽引する堂安と久保。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 巷では優勝候補と言われているスペインを相手に日本は1-1のドロー。五輪前のラストマッチは、悪くない結果だったんじゃないかな。ボール保持率は前半で65:35という風に出ていたけど、とりわけ、前半はディフェンスが良かったね。

 押し込まれはしたものの、粘り強く相手の攻撃を凌ぎ続け、久保のドリブル突破から堂安の左足ボレーというワンチャンスをしっかり活かしきったゴールが生まれた。五輪本番でも格上との対戦は予定されているだけに、いい経験になったんじゃないかな。

 堂安のゴールの直前には、ボールを受けた林が左足を振り抜くもシュートは枠を捉えきれなかった。スペインクラスの相手になると、1試合で打てるシュートの数がそう多くはならないだろう。したがって、シュートは一撃必殺で、しっかりと決定力を高めていかないといけない。大会を勝ち抜いていくためにも、日本は最後までフィニッシュの精度を高める努力を続けていくべきだよ。
 
 そういう意味で、この試合のMVPはやはり堂安だ。4戦連発の好調ぶりはさることながら、ゴールシーンを見ても、しっかりと枠の隅へ蹴り込むという意識が高いようだ。得てして隅を狙うと枠を外したり、強いボールを蹴れないものだが、そこはきっちりと本番までにブラッシュアップしていってほしい。

 それにしても、久保と堂安のコンビはこのチームの大きな武器になりそうだ。それぞれスペインとドイツで場数を踏んできているので、少しくらい身体を当てられても負けないし、気持ちの上でも同じように負けていない。U-24日本代表の頼れるアタッカーたちだ。

 そして、私が今大会で注目するのが、私と同じFWの上田綺世だ。身体のサイズを活かしたポストプレーもいいし、左右両サイドにも幅広く動いてチャンスメイクもできて、点も取れる。先月に肉離れを起こしてしまって、どこまで体調を戻せるかが懸念材料だが、スペイン戦でも途中出場からビッグチャンスを迎えていた。本大会でも、上位進出への鍵を握る存在になると思うよ。

 
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