「一般社会でも通用しない」ボルトがPK失敗3選手への人種差別を猛批判!若手にキッカーを任せたことには持論

2021年07月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「僕がコーチなら19歳の若者に厳しいキックを与えたりは…」

サッカーをこよなく愛するボルトが、EURO決勝後の人種差別に苦言を呈した。(C)Getty Images

 陸上界のレジェンドが、サッカーの品位を損ねる悪質なファンへ不快感を露わにした。英紙『Daily Mail』が7月15日付けで伝えている。

 現地時間7月11日に開催されたEURO決勝で、イングランドはイタリアと激突。延長を含む120分間では決着がつかず、1-1で勝負はPK戦にもつれこむ。すると、イングランドは3人目のマーカス・ラッシュフォード、4人目のジェイドン・サンチョ、5人目のブカヨ・サカが立て続けに失敗。結局PKスコア2-3で敗れ、史上初の欧州制覇に、あと一歩及ばなかった。

【動画】痛恨の3人連続PK失敗…イングランドはあと一歩で55年ぶりタイトルを逃す

 敗戦を受け、SNS上ではPKを失敗した3選手への誹謗中傷および人種差別的な行為が確認される事態に。15日には数名の逮捕者が出たことも現地警察によって発表されている。

 到底許容できない卑劣な行為に対し、世界中のサッカーファンと同様に声を上げたのが、五輪3大会で8個の金メダルを獲得し、陸上の男子100メートル、200メートルの世界記録を持つウサイン・ボルトだ。2017年に現役引退をしてからは自身の夢でもあったサッカー選手になることを目指し、一時はオーストラリア1部のクラブと契約寸前にまで至るなど、サッカーへの造詣も深いボルトは、こう意見を述べている。
 
「ペナルティをミスするとみんな怒るけど、人種差別が入ってくるのは問題だ。僕はサッカーが大好きで、全ての選手を追いかけてきたから、あんなことが起こるのを見るのは辛い。人間だからミスした人に腹を立てることはある。しかし、そこに人種を持ち込むようなことは、サッカー界にも一般社会でも通用しない」

 PKを巡ってはラッシュフォード(23歳)、サンチョ(21歳)、サカ(19歳)と、プレッシャーがかかる場面で若手にキッカーを任せたことに一部で疑問の声も。人類最速の男は「自分であれば蹴らせることはなかった」と、自身の見解を示している。

「彼らが最後の最後に登場した(ラッシュフォードとサンチョは120分から出場)のを見ていた。僕がコーチならあの時点で誰かを投入したり、19歳の若者に厳しいキックを与えたりはしなかっただろうね」

 3人の気持ちを慮り「アフリカ人として、黒人として、彼らが辛い思いをしていることは分かる」とこぼしたボルト。同じくスポーツでトップを極めた者、そしてひとりのサッカーファンとして、やり切れない想いがある。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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