【柏】気付けば最下位との勝点差は4…。“寄せ切れない”“勝ち切れない”甘さの原因は?

2015年06月04日 小田智史(サッカーダイジェスト)

目の色を変えて臨んだ浦和戦も、土壇場で起きたミス。

GK菅野(右)のスーパーセーブでピンチを凌いでいたが、最後の最後で失点し、勝点2を取りこぼした。 写真:徳原隆元

 1年以上無敗が続いた"難攻不落時代"が嘘のように、日立台でのホームゲームで勝利から見放されている。首位を走る浦和相手に開始1分足らずで失点を許す劣勢から立て直し、二度に渡ってリードを奪ったにもかかわらずだ。

【J1 PHOTOハイライト】柏 3-3 浦和
 
 浦和戦を迎えるにあたって、「選手・監督の目の色すべてが違った」(工藤)という。それは過去に浦和と激闘を繰り広げてきたライバル意識だけでなく、2試合未消化ながらリーグ戦15位と低迷するチーム状況に危機感を抱いていたからに他ならない。
 
 だからこそ、序盤からトップギアの浦和を一度は追い詰める戦いができたのだろう。相手のビルドアップに猛然とプレッシャーをかけて奪った1点目、名手・西川周作がFKを取り損ねた瞬間をしたたかに押し込んだ2点目、パスをつないで相手の守備網を切り裂いた3点目と、ゴールはいずれもクオリティが高かった。
 
 工藤も「ウチが忘れかけていた、しっかりボールを保持し、取られた瞬間にプレッシャーをかけて取り返し、また波状攻撃するという攻めをやり続けることができた」と標榜するスタイルを体現できた事実に関しては一定の手応えを感じていた。しかし……。
 
 浦和にとって完全に「負けパターンの展開」(橋本)だったなか、90+1分に武藤雄樹に劇的な同点ヘッドを決められ、一気に奈落の底に突き落とされた。この場面を振り返ると、輪湖直樹がボールホルダーの関根貴大と対峙していたが、近づいてきた相手選手をマークしていた中谷進之介との入れ替わりで反応が遅れ、簡単にクロスボールを許している。
 
 キャプテンの大谷秀和によれば、4バックだった前半は両SBがボールホルダーに出て行くのか、行かないのかはっきりしないところがあったため、後半は守備時にアンカーの茨田陽生を最終ラインに落として5バックにシフトした。吉田監督は「(5枚にして)SBがどれだけ相手のサイドに間合いを詰められるか」と指示を出していたなかで起こった"ミス"だった。

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