「ラストチャンスに人生懸けてみたい」スイス移籍の川辺駿が涙の挨拶。移籍容認の広島に感謝

2021年07月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

「僕は引退まで広島でプレーするんだろうなと考えていました。ただ…」

スイス1部グラスホッパーへの移籍が決まった川辺。壮行セレモニーでのスピーチでは涙も見せた。写真:田中研治

 スイス1部のグラスホッパー・クラブ・チューリッヒに移籍することとなったサンフレッチェ広島の川辺駿が、3日の21節・サガン鳥栖戦で国内でのラストゲームを迎えた。試合は62分にジュニオール・サントスのゴールで広島が先制するも、アディショナルタイムに酒井宣福の同点弾が生まれ、ドロー決着。広島は、川辺を勝利で送り出すことはできなかった。

 しかし、試合後に行なわれた海外移籍の壮行セレモニーでは、アカデミー時代から11年間を過ごしたクラブへの想いが溢れ出た。目に光るものも見えた川辺は次のように感謝の言葉を語った。

「まずは、サンフレッチェファミリーのみなさん、雨の中、応援ありがとうございました。ラストマッチを勝利で飾ることはできませんでしたが、このチーム、このメンバーで戦えたことをとても誇りに思っています。

 今回、グラスホッパー・クラブ・チューリッヒに移籍することになりました。降格数の多いシーズンの途中で、チームを離れることを認めてくれたクラブ、自分の意思を認めてくれたチームにとても感謝しています。

 勝手ながら、僕は引退まで広島でプレーするんだろうなと、したいなと、考えていました。ただ、このラストチャンスに自分の人生を懸けてみたいと思い、チャレンジすることにしました」

 感謝の想いとともに、決断までの心の揺れを明かした司令塔は、さらに後輩たちの模範となるべく新天地での決意をも語った。
 
「広島で生まれ、アカデミーで育ち、サンフレッチェ広島でプロになりました。これからも、サンフレッチェ広島を背負う若い選手やアカデミーの子たちの夢や希望となれるよう頑張ってきます。

 最後に、ジュビロ磐田、サンフレッチェ広島に関わるすべての人に感謝しています。そしてまた、新スタジアムでお会いできることを楽しみにしています。長い間、本当にありがとうございました」

 スピーチをこう締めくくった川辺は、この鳥栖戦を最後にチームを離れ、現地でメディカルチェックを受ける。その後、正式契約が結ばれる予定だ。日本代表でも6月シリーズで徐々に頭角を現わしてきたボランチが今後いかなる成長を見せるのか。最終予選でも気になる存在となっていきそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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