「自信をくれて、たくさんの経験をさせてもらった」板倉滉が仙台への感謝と五輪への意気込みを語る

2021年07月04日 小林健志

「この1年が無かったらヨーロッパでプレーできていなかった」

板倉が仙台に3年ぶりの帰還。ユアスタの場内を一周すると温かい拍手が送られた(C)J.LEAGUE

 東京五輪に臨むU-24日本代表に選出されたフローニンヘンDF板倉滉が7月3日、J1リーグ第21節のベガルタ仙台対浦和レッズが行なわれたユアテックスタジアム仙台に来場した。

 板倉は2018年に川崎フロンターレから仙台に期限付き移籍し1年間プレー。仙台のクラブ初の天皇杯決勝進出にも大きく貢献した。その翌年、マンチェスター・シティへの完全移籍と同時にフローニンヘンへとローン移籍し、20-21シーズンはクラブの最優秀選手に選出されるなど活躍を見せた。

 浦和戦前、ユアスタで会見に臨んだ板倉は「3年ぶりに帰って来ましたが、やっぱり良いスタジアムだな、と久々に見て興奮しています。1年しか在籍しなかったのですが、仙台駅に着いた時から、帰って来たなという思いが強くて、スタジアムまでの道中も懐かしいと思いました」と笑顔で語った。

 今回の仙台のホーム戦来場については「ずっと休みで帰国する時はユアスタに行きたかったのですが、今回日程的に試合もあるとのことなので行こうと決めました。ベガルタのみなさんも協力的で、いたっちグッズ(仙台在籍時に動物のいたちと板倉自身を模したグッズを販売していた)も再発売してくれたり、挨拶の場を作ってくれたりしました」と板倉の強い希望と、クラブ側の全面協力で来場が実現した。

 仙台での1年間を振り返って板倉は「初めての移籍で最初は不安でしたが、サポーター含め、チームの人たちが温かく受け入れてくれました。また、初めて1シーズン通して試合に出させてくれて、1年間試合のある生活リズムを体験できたのも初めてでした。

 この1年が無かったらヨーロッパでプレーできていなかったと思います。僕に自信をくれてたくさんの経験をさせてもらいました」と自身のキャリアにとって非常に大きな1年だったと振り返った。
 
 東京五輪に向けて板倉は「まずは代表として東京五輪に出させてもらえることに感謝しています。仙台を含め、今まで関わった人や、一緒に戦ってきた人の分まで戦おうと責任を感じています。金メダルを取って恩返ししたいです」と強い意気込みを語った。

「仙台の結果もチェックしていて、いつも仙台からパワーをもらっています。仙台サポーターにも日の丸をつけて戦う姿を見せたい」と語った板倉。仙台対浦和戦のハーフタイムでは、仙台サポーターの前にも登場し挨拶をした。「移籍の時、挨拶ができなかったので、挨拶ができて嬉しいです」。場内を一周すると仙台サポーターから温かい拍手が送られた。

 思い出の地、仙台でパワーを得て、東京五輪でメダル獲得に貢献する活躍を見せたい。

取材・文●小林健志(フリーライター)

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