進まないバルサの人員整理。ウンティティに関しては契約解除も含めて法的手段を検討か

2021年06月30日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

アグエロやデパイの獲得が決まる一方で…

このコウチーニョも、バルサが受け入れ先探しに苦労しているひとりだ。(C)Getty Images

 土壇場でパリSGに横取りされたジョルジニオ・ヴァイナルダムを除き、セルヒオ・アグエロ、エリク・ガルシア、メンフィス・デバイと、狙っていた実力者を次々にフリートランスファーでの一本釣りに成功したバルセロナ。エースのリオネル・メッシも契約延長に近づいていると伝えられ、今夏のチーム作りは順調に進んでいるように見える。

 しかしその一方で心配なのが、人員整理が一向に推移していない点だ。

 そもそも、早々にこれほどの新戦力の獲得に踏み切ったのも、多くの現有戦力を手放すことが前提としてあり、ラ・リーガのハビエル・テバス会長も、「バルサはサラリーキャップの限度を超過し、大幅な人件費の削減の必要に迫られている」と警告を発している。

 まさにクラブにとっては死活問題であるわけだが、最大のネックとなっているのがやはり各選手の高額な年俸だ。さらにミラレム・ピャニッチやジュニオル・フィルポなど評価を落とした選手、サミュエル・ウンティティやフィリッペ・コウチーニョのように故障を抱えている選手もおり、受け入れ先探しは決して簡単ではない。

 とりわけ、昨夏に続いて構想外を突きつけられても、暖簾に腕押しのウンティティに至っては、契約解除も含めて法的手段を検討していると、地元紙『スポルト』は報じている。
 
 そんななか現地で噴出しているのが、「選手たちが自主的に給与カットを申し出るべき」という意見だ。『ムンド・デポルティボ』紙もコラムにおいて、「契約を結んだ時とは状況が異なる」と、パンデミックを理由に挙げたうえで、「法律で守られているとはいえ、考え方を改めるべきだ。ましてや多くの選手はチャンピオンズ・リーグで毎シーズン、失態を繰り返している」と持論を展開している。

 もっとも契約は選手たちが勝ち取った権利だ。法的正当性を主張されれば、クラブができることは限られている。

 今後も波乱含みの展開が予想されるが、このまま人員整理のオペレーションが進まなければ、望んでいなかった主力や若手の売却の必要に迫られたとしても不思議ではない。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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