今シーズンのバイエルンを採点すると?【バイエルン番記者】

2015年05月28日 パトリック・シュトラッサー

キャプテン・ラームの自己採点は「2」

スタジアムでの優勝セレモニーでは、恒例のビールかけでペップも勝利の美酒に酔いしれた。 (C) Getty Images

 最終的に、バイエルンはやはり祝杯を挙げた。
 
 ホームでマインツを2-0で下してシーズンを締めくくり、マイスターシャーレを手にしたチームは、その後ミュンヘン市内のイベント会場『ポストパラスト』に場所を移し、クラブ主催の祝勝会を盛大に楽しむと、翌日は例によってマリエン広場の市庁舎からシャーレを掲げ、ファンと喜びを分かち合った。
 
 これでチームは夏休みに入る。我々にとっては総括の時間である。2014-15シーズンのバイエルンをどう採点するか。それがここ数日のメディアのテーマだ。
 
 ちなみに当事者たちの自己採点(『1』が最高評価)は、カール=ハインツ・ルムメニゲCEOが「最低でも『2+』だ」とコメント。キャプテンのフィリップ・ラームは「2」を付け、副キャプテンのバスティアン・シュバインシュタイガーは「1か2だ」と語った。
 
 3連覇に導いた指揮官のペップ・グアルディオラには、最高評価の「1」が与えられるべきだろう(編集部・注/グアルディオラの下では2連覇。その前年はユップ・ハイケンスが監督)。バイエルンから14人の選手が参戦し、そのうち6人がドイツ代表として世界王者になったワールドカップ直後のシーズンで、これ以上のことはできない。これまでドイツがワールドカップで優勝した直後のシーズンは、バイエルンは優勝を逃しているのだ。1974-75シーズンは10位に沈み、3連覇に挑んだ90-91シーズンは2位に終わった。
 
 とはいえ、3冠を達成した一昨シーズン、国内の2冠を守った昨シーズンからすると、今シーズンは何かが足りなかったのは確かだ。そう、ファイナルである。バイエルンが国内外のカップ戦で決勝に勝ち上がれなかったのは、過去5年では10-11シーズンだけだ。
 
 まったく危なげなく、30節に決めたリーグ優勝のその歓喜よりも印象に残るのは、決勝目前で喫した2つの敗戦の苦々しさである。ドルトムントにPK戦の末に敗れたDFBカップ準決勝での敗北と、バルセロナの軍門に降ったチャンピオンズ・リーグ準決勝での敗北だ。
 
 3冠が目標だったことを考えれば、私がバイエルンに付ける採点は「3」だ。
 
 それでも今シーズンのバイエルンは、ブンデスリーガのレコードブックにその名を刻んだ。「18失点」は12-13シーズンのバイエルンに並ぶリーグ最少記録で、「22試合」を無失点に抑え、無失点試合の最多記録を塗り替えた。
 
「来シーズンのバイエルンはもっと強くなっている」と語るペップがその来シーズンに見据えるのは、ブンデスリーガの4連覇。過去に例がない、前人未踏の栄光だ。
 
【記者】
Patrick STRASSER|Abendzeitung
パトリック・シュトラッサー/アーベントツァイトゥング
1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年にアーベントツァイトゥングの記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。
【翻訳】
円賀貴子
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