市川大祐がキルギス戦に見た右サイドの光明!山根&坂元はロシアW杯の長友&乾のイメージ

2021年06月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

タジキスタン戦での迷いがキルギス戦では整理された

市川氏も「お互いの持ち味を活かしていた」と称賛した坂元(左)と山根(右)の右サイドコンビ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 メンバーも大きく変わったなか、選手のサバイバルというか、どんなプレーができるのかを見極める一戦でもあったキルギス戦。

 前半に3得点を奪ったサイドからの攻撃で、特に坂元達裕選手と山根視来選手の右サイドのコンビネーションは、良好に映りました。

 お互いのポジションを確認しながら、同ラインに並ばないように、坂元選手がダイアゴナルに走った時に、山根選手が縦に向かう。味方の動きを見て、空いたスペースやエリアを使い、プレーが流れるように繋がった良い連係でした。

 坂元選手は左利きなので、カットインからのクロス、シュート、中へのドリブルと武器をもちつつ、縦へも行け、相手のサイドバックとしてはとても捕まえづらい選手です。

 また、中にドリブルで切り込んでいくと、どうしてもバックステップで後ずさりしながらの対応になるので、相手選手の足が止まります。そのため、より効果的な状態で山根選手を使える状況も生み出していました。

 山根選手は前回先発したタジキスタン戦と比べてコミュニケーションも良くなり、この代表活動中に積み上げられた部分が多く見えました。

 後半にミドルシュートを放った場面を見る限り、川崎でやっているプレーも徐々に出せるようになり、自身のプレーが整理されたのかなという印象です。
 
 タジキスタン戦では迷いも見られ、攻め上がりを躊躇するシーンもありましたが、キルギス戦ではどこまで行って良いのか、周囲からの声もあったのかもしれませんし、自身の判断基準も定まっていて、スムーズにプレーしていました。

 1点目のPKに繋がるシーンでも坂元選手が中で受けて、守田英正選手に繋いだ際、全体の注意がボールに向いていました。その隙を見逃さず、山根選手が2列目から飛び出してボールを引き出し、クロスを送ったことで先制点が生まれています。

 相手がボールウォッチャーになる瞬間を作れれば、キルギスのように最終ラインに5枚置いて、守備を固めてきた相手でもチャンスを作ることができます。山根選手のああいう飛び出しは捉えきれないですよね。

 イメージで言うと、ロシア・ワールドカップの時の長友佑都選手と乾貴士選手のような関係性にも似て見えました。
 

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