「選手たちはかなりストレスもあった」森保監督がバブル内合宿を総括。最終予選へ「良いシミュレーションに」

2021年06月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

最終予選は「2次予選とは全く別次元の厳しい戦い」

最終予選は「ホーム&アウェーで開催できる方がうれしい」と語った森保監督。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 日本代表は6月15日、パナソニックスタジアム吹田で、ワールドカップ・アジア2次予選のキルギス戦を行ない、5-1で勝利を収めた。

 試合は、先発したオナイウ阿道がPKによる代表初ゴールを含めて、27分から33分までの6分間でハットトリックを達成した。前半終了間際にPKを与え1点を返されるものの、後半も佐々木翔、浅野拓磨にゴールが生まれ5-1で勝ち切り、アジア2次予選を8戦全勝として最終予選へ勝ち進んだ。

 試合後の会見に臨んだ森保一監督は、「2次予選での戦いで問題になる改善点を見つけるのは難しい」と言うものの、ここ2試合でそれぞれ1失点ずつ喫している点について「相手に対するプレッシャーを緩めたところで、攻め込まれた。強度を落とさず、テンポを落とさず戦えるようにコントロールしないといけない」と警鐘を鳴らした一方で、今回の代表活動で手にした収穫も大きいという。

 オナイウをはじめ、初先発の坂元達裕ら代表経験の少なかった選手たちが活躍したことを、「日本の選手層の厚さを示し、日本にはたくさん良い選手がいるというのを表現してくれた」と喜んだ。

 また、46ゴール・2失点で2次予選を無傷の8連勝で終えたチームについては、「2019年から始まって、かなり間が空いている。全体的に総括するのは難しい」としながらも、「これまでやってきたことと、我々がレベルアップするためにやらなければいけないこと」が発揮できて、「コンセプトとしてはかなり浸透してきた」と手応えを語る。
 
 いよいよ9月からは最終予選が始まる。指揮官は、「最終予選はこれまで戦ってきた2次予選とは全く別次元の厳しい戦いになると覚悟して望まないといけない。(これまで)結果が出たからといって、満足して最終予選にフワッと入ってしまうと非常に痛い思いをする」と指摘。常にレベルアップを目指し、「気を緩めず、引き締めて臨まないといけない」と切り替えた。

 多くの選手を試しながら、チーム強化を行なってきた森保ジャパン。今後はさらに門戸を広げフレッシュさを追求していくのか、それともメンバーを固定しながらチームの成熟を目指すのか。

 記者から今後の強化方針を聞かれた森保監督は、「その時の環境のなかで、ベストだと思えるチーム編成をしていきたい」と流動的な考えを示す。それは、「どういう招集条件で試合ができるか分からない」というコロナ禍ならではの事情も考慮してのことだという。

 コロナ禍で特殊なこととしては、合宿生活も挙げられる。万全のコロナ対策のなか行なわれた5月末からの代表合宿では、食事の時も黙食で、ホテルからの外出もできず、部屋の行き来もできないなど「選手たちはかなりストレスもあった」という。

 森保監督は、そんななかでも「我慢しながら、ピッチ外の生活をしてくれた」とし、「コロナ禍でもプレーする意義というのを考えてくれて、サッカーで表現してくれていると思う」とこの期間の選手たちの振る舞いを改めて称賛した。

 厳しい生活を経験したことは今後に活かされるかもしれない。「コロナ禍にあって、もしかしたら予選がセントラルになるということもあり得るかもしれない」と最終予選がセントラル方式で開催される場合も考慮し、今回のバブル内での合宿生活が「良いシミュレーションになった」と前向きに捉えた側面もあるという。

 図らずも今回の代表活動でセントラル開催の場合の予行演習もできた日本代表は、最終予選でどのような戦いを見せられるか。注目の組分け抽選会は6月24日に行なわれる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【PHOTO】A代表初ゴールから前半だけで圧巻ハットトリックを達成!オナイウ阿道を特集!
 
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