「ばかげた判断だ」デンマークのレジェンドがUEFAの“試合再開決定”を痛烈批判!「全くフェアではない」

2021年06月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

「思いやりを示すべきだった」

息子のキャスパーが出場したフィンランド戦を見守っていたシュマイケルがUEFAを批判した。 (C)Getty Images

 果たして、選手たちに与えられた選択肢は正しかったのだろうか。

 現地時間6月12日に行なわれた、EURO2020のグループステージ第1節、デンマーク対フィンランド戦で、試合中に前者のMFクリスティアン・エリクセンが昏倒。ピッチ上で救命処置を受けて緊急搬送された。試合は約2時間後に再開され、デンマークは0-1で敗れた。

 この試合再開の判断に批判の声が上がっている。欧州サッカー連盟(UEFA)およびEURO本営から「両チームの選手の要請により」延期ではなく、再開で合意したと発表していた。だが、英国営放送『BBC』によれば、この時に選手に提示されたのは「試合をすぐ再開するか」「翌日12時から再開するか」の二択だったようだ。

 デンマーク代表としてEURO制覇を経験したレジェンドであり、この試合に先発していたキャスパー・シュマイケルの父親であるピーター・シュマイケルは、同局ラジオ番組に出演し、「ばかげた判断だ」と主催者であるUEFAを痛烈に批判している。

 
「彼らは別のシナリオを模索し、少しでも思いやりをすべきだったのに、そうしなかった。私のサッカー人生の中でも最悪の2時間だったよ。あのような恐ろしい出来事が起こった後なのに、与えられた選択肢は試合を続けるか、翌日に再開するかだけ。それは何を意味するんだ?どうやってプレーしろと?」

 そして、UEFAがテレビ放映スケジュールを優先したことは「全くフェアではない」とも指摘している。

「目の前で、恐ろしい出来事が起きた。仲間がほぼ命を失いかけたんだ。選手が試合でプレーできる状態だと思うのか? 精神的に落ち着きを取り戻すには1~2日は必要だ。それでも再開か、翌日にプレーするという選択肢を提示したのは何故だ? そもそもなぜ12時なんだ。テレビ放映やそのほかのことを考慮できるくせに、なぜ選手のことは考慮できないんだ。理解できない」

「容体は安定した」と発表された後だったとはいえ、選手たちが目の前の出来事にショックを受けていないはずがない。実際、キャプテンのシモン・ケアは「精神的にプレーできる情痴ではなかった」として自ら交代を申し出ている。

 デンマーク代表は17日にベルギー戦を控えており、同国サッカー協会は、選手やスタッフに対するメンタルケアを優先して行なっていると発表している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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