ザルツブルク南野が掴んだ自身初のタイトル! A代表入りを狙う20歳に待つ近未来とは?

2015年05月25日 山口裕平

「優勝した瞬間にピッチに立てていたことが素直に嬉しい」

チームメイトと優勝シャーレを掲げる南野。自身初のタイトル獲得に喜びもひとしおだ。(C) Getty Images

「自分個人としてタイトルは初めて。シーズン途中からですけど、チームの一員になってタイトルを取れてホントに嬉しいです」
 自身初めてのタイトルを獲得した南野は、そう喜びを語った。
 
 オーストリアリーグ・35節、ザルツブルクはRZペレッツWACを3-0で下し、2年連続9度目のリーグ制覇を決めた。この試合でフル出場を果たした南野は、以前話していた優勝が決まる瞬間にピッチに立っていたいという目標を達成することができた。
 
 実際のところ前節終了時点で2位のチームが勝点でザルツブルクを上回れないことが決まり、得失点差でも大きなリードを付けていたことから優勝はほとんど決まっていた。さらに、この試合でも前半のうちに3点のリードを奪っており、南野自身は試合終了の瞬間を落ち着いた様子で迎えた。
 
 正直なところ、南野のなかには点を決めたいといった様々な想いがあった。ただ、「優勝した瞬間にピッチに立てていたことは素直に嬉しいという気持ちが大きいですね」とその瞬間について振り返った。試合後に行なわれた優勝シャーレ授与セレモニーでは、チームメイトとともに喜びを分かち合い、シャーレを掲げ満面の笑みを見せている。
 
 シーズン途中からの加入とはいえ、激しい競争のなかで出場機会を勝ち取り、チームの一員として優勝に貢献したことは評価に値する。欧州でのキャリアを順調に踏み出すことができたと言えるだろう。
 
オーストリア杯決勝を含め、今季まだ2試合を残しており、少し気が早いようにも思えるが、気になってくるのは南野の今後だ。加入半年ということもあり、来季もザルツブルクでプレーすることが有力視されている。
 
 来季は、国内リーグ3連覇はもちろん、クラブにとって悲願となっている初の欧州CL出場を目指すことになる。予備予選を勝ち抜き、本戦出場権を獲得することができれば、それは南野にとっても大きな挑戦になるだろう。たとえCLに出場できなくとも、再びELで旋風を巻き起こすことは十分に可能だろう。
 
 もちろんザルツブルクでのプレーはA代表にもつながっている。南野自身も「そこ(A代表)に早く立ちたいというのは一番にあります」と、強い想いを口にしている。そのためにも、必要となるのはザルツブルクで結果を残し続けること。本人もよく分かっているだろう。
 
 ただそれはもはや、南野にとって特別なことではない。攻撃的なポジションの選手であれば、結果に貪欲になってプレーし続けなければ、出場機会すら得られないということを20歳で身を持って体験した。まだまだ伸びしろを残しているだけに、今後がますます楽しみだ。
 
取材・文:山口裕平
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