【セルジオ越後】やる気があったのはピクシーだけ…そんな相手に持ち味を出せたのは伊東純也だけ

2021年06月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

ある意味、無観客試合に相応しい試合だった

大きなジェスチャーでセルビアの選手たちに指示を送っていたピクシー。リードされた展開に怒りを露わにしていた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 セルビア戦は1対0で勝ちはしたけど、相手はもう完全にオフモード。明らかにベストメンバーじゃないし、コンディションも悪くてギャラをもらいに来たような相手だった。国を代表して国際試合に出るチームがシュート1本ってあり得ないよ。

 先日のガーナもそうだったけど、日本は本当になめられている。コロナの関係でいまはちゃんとしたチームを呼ぶのが難しいんだって、自分たちに納得させていればいい話じゃないよ。1対0で終わった試合だけど、相手はリードされても自陣に引いていて攻めてこない。負けているのにカッカしているのはピクシーだけだったじゃないか。一番やる気があるのが監督だったよ。

 こんなのが国際試合? まったく強化にならないよ。ある意味、無観客試合に相応しい試合だったと思うけど、こういう試合をやる意味が一体どこにあるんだ。

 その一方で、日本は相変わらず引いた相手を攻略する糸口を見出せない。日本の中で攻撃・守備の両面で自分のスタイルを貫いていたのは伊東純也だけ。一体他の選手の持ち味ってなんだったんだろう? これまでは相手が引いた中でも、強引にでも1点取ればスペースが空いてきて、大量点に繋がっていったけど、今回の大きな相手が引いたら思ったよりスペースがなくて南野や古橋、鎌田は相手に身体を入れられて潰されるし、ダブルボランチもいつもより輝いていなかったね。守田もこれまでの試合ではかなり評価されてきたけど、この試合の出来ではまだ完全に合格じゃない。セルビア戦ではほとんど目立たなかった。
 
 今まで僕は大量点で勝った後に、「これでは自分たちが強いと錯覚してしまう」と言い続けてきたけど、セルビア戦はまさに現実。日本はちょっと強いチームと対戦すると途端に点が取れなくなるし、自分で仕掛けて行ける選手も極端に少なくなってしまう。

 テレビでドゥンガが日本は守備が良いけど、ドリブルできるFWがいないって言ったそうだね。まったく同感だよ。セルビア戦に出なかった大迫も、アジアのチーム相手にはよく点を取っていたが、今日は出ていたらどうだったんだろう? こういうチームを相手にしっかり点を取ってこそエースと言えるんだけどね。

 次は15日、アジア2次予選最後のキルギス戦だ。また日本代表が強く見えてしまうね。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事