【韓国メディアの視点】Jリーグ勢の脅威に触れ危機感を強調。水原とFCソウルの8強進出に諦めムードも

2015年05月21日 慎武宏

Jリーグ勢が「強くなった」と認め、評価する見方も。

チョン・テセの得点も実らず、水原三星は柏との第1戦を2-3で落とした。韓国メディアは柏を「少々ディフェンシブながらKリーグ勢と類似した攻撃を展開する」と評している。(C) Getty Images

 5月19日、20日に行なわれたACL決勝トーナメント。4クラブが進出したKリーグ勢はそれぞれホームで第1戦を戦ったが、勝利したのは中国の広州恒大を2-1で下した城南FCのみとあって、韓国メディアは一様に意気消沈気味だ。
「うなだれたKリーグの3龍、孤軍奮闘した市民クラブの城南」(ネットニュース『STAR NEWS』)
「城南は笑ったが、Kリーグは全滅危機」(スポーツ新聞『スポーツ朝鮮』)
 
「Kリーグの4龍、"肩組んで8強に行こう!!"」(通信社『聯合ニュース』)と意気込んでいた試合前の論調からは、明らかにトーンダウンしている。とりわけ、水原とFCソウルがJリーグ勢に喫した連敗にショックを隠せない。
 
 総合ニュースメディアの『ノーカットニュース』は「水原に続きソウルも……Jリーグに機先を制せられる」と嘆き、同じく総合ニュースメディアの『マイデイリー』は「圧迫なきKリーグ、Jリーグに大量失点」と題した記事で、Jリーグ勢にともに3失点した水原とFCソウルの戦いぶりを次のように論じている。
 
「技術とパスが優れたJリーグ勢と、プレッシングとフィジカルコンタクトが強いKリーグ勢との対決では、長所を前面に押し出してきたチームが勝利する場合が多かった。今回の対戦ではKリーグ勢のプレッシングは活きず、Jリーグ勢に苦戦を強いられた」
 
 ただ、敗因はそれだけではないだろう。Kリーグ勢に落ち度があったのではなく、Jリーグ勢が「強くなった」と認め、評価する見方もある。例えばスポーツ紙『スポーツ・ソウル』は「Jリーグで13位の柏、Kリーグになぜ強いか」という記事で、こう評している。
 
「柏は短いパスとビルドアップを重視する日本サッカーとは異なり、多少ディフェンシブな姿勢ながら最終ラインの背後を狙うパスを仕掛けるなど、Kリーグ勢と類似した攻撃を展開する。KリーグのクラブはJクラブと戦う時、パワーとカウンターアタックで相手のきめ細かいサッカーを崩してきたが、柏には通じなかった」

次ページ「水原とソウルの完敗は看過できる問題ではない。Jリーグはもはや変わった」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事