心はすでに新シーズンへ ペップ体制3年目はどんなチームに?【バイエルン番記者】

2015年05月18日 パトリック・シュトラッサー

5月12日22時30分をもって新シーズンがスタート。

退団の噂もあったが、ペップの続投は確実。3年契約の最終年、どんな顔ぶれでどんなサッカーを披露するのか? (C) Getty Images

「真実の1年だった」
 
 チャンピオンズ・リーグの準決勝でバルセロナに敗れたペップ・グアルディオラは、そう語った。0-3で敗れた第1レグのビハインドが重くのしかかり、トータルスコア3-5でバルサの軍門に降ったものの、ホームでの第2レグは3-2で勝利。尊厳は守った。
 
 DFBカップもベスト4で敗退した今シーズンは、結局、ブンデスリーガ優勝の1冠に終わった。ユップ・ハインケスの下で3冠を成し遂げた2012-13シーズン、ブンデスリーガとDFBカップに加え、UEFAスーパーカップとクラブワールドカップの4冠を制したペップ1年目の昨シーズンからタイトルの数は減らしたとはいえ、前述のようにバルサに一矢報いたこともあり、チームにそれほどネガティブな雰囲気はない。
 
 むしろ、新たなスタートに胸を躍らせている。5月12日の22時30分をもって、バイエルンではグアルディオラの下での3年目のシーズンが始まったのだ。
 
「我々は来シーズン、もう一度トライする」
 ペップはそう約束した。
「(主力に怪我人が続出し)手術が10例もあり、多くの困難に見舞われた。それを乗り越えてのこの結果だ。我々はあきらめなかった」
 と胸を張るグアルディオラは、この経験を来シーズンにつなげることが大切だと語った。
 
 グアルディオラがバイエルンを新しいレベルに引き上げたのは間違いない。戦術的な柔軟性は高まり、戦い方のバリエーションはずっと豊富になった。クラブ首脳は2013年にペップと結んだ3年契約の延長を望んでいる。
 
 その契約最終年となる来シーズン、ペップはどんな顔ぶれで、どんなサッカーを披露するのか。
 
 骨格はすでに決まっている。ゴールマウスはマヌエル・ノイアー、最終ラインの要はハビ・マルティネス。
 
 中盤センターはフィリップ・ラームとチアゴ・アルカンタラ、両翼はアリエン・ロッベンとトーマス・ミュラーで、前線はロベルト・レバンドフスキが中心となる。
 
 退団の可能性があるのはマリオ・ゲッツェ(プレミアリーグ行きか?)。
 
 新戦力として狙っているのが、ヴォルフスブルクのケビン・デ・ブルイネだ。それ以外では、左サイドバック、センターバック、センターフォワードの即戦力を物色している。
 
【記者】
Patrick STRASSER|Abendzeitung
パトリック・シュトラッサー/アーベントツァイトゥング
1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年にアーベントツァイトゥングの記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。
【翻訳】
円賀貴子
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