【日本代表】武藤嘉紀|右足を負傷。超えるべきライバルがいるなかで予期せぬアクシデント

2015年05月12日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

週末には浦和戦。無理をする必要はないが…。

怪我をする前はまずまず良い動きをしていただけに、怪我でのアウトは残念。合宿2日目の明日にピッチに戻ってくるだろうか。写真:徳原隆元

 練習スタートから70分を過ぎたあたりだった。ミニゲーム形式(6対6)のトレーニング中に、武藤嘉紀が水本裕貴と接触。声を上げて倒れ込むと、その場にしばらくうずくまった。
 
 ゆっくりと立ち上がった武藤は右足を引きずりながらコートの外に出たが、スプレーなどでの治療も空しくそのままアウト。スタッフのひとりに連れられて、途中で切り上げる形になった。
 
 練習後の囲み取材に応じず、残念ながら本人の声は聞けなかったが、日本協会の広報によれば「現時点で大きな問題と捉えていない」。
 
「お皿の上のところに(水本の)膝が入りました。症状は右足の打撲です。離脱は特に考えていません。とりあえず、今晩は様子を見ます。ですので、今すぐにクラブに返すことは考えていません。腫れが酷かったりしたら、また考えますが、現状では大きな問題と捉えていません」
 
 週末の5月16日には浦和との首位攻防戦が控えている。たとえ軽傷だったとしても無理する必要はないだろう。ただでさえ、コンディションは良くないのだ。7節の山形戦あたりから膝と腰に痛みを抱えており、むしろ休養すべきとの見方もある。
 
 ただ、今回の代表合宿でポジション的にライバルとなるのが宇佐美貴史。5月11日の合宿前日会見で、ハリルホジッチ監督が映像で見せた「招集メンバーを4-3-3のフォーメーションに振り分けた図」にふたりが配置されていたのが、左ウイングだった。
 
 同じ92年生まれで、しかも今季のJリーグではここまで激しく得点王を争っている(宇佐美が9ゴール、武藤が8ゴール)。そんなライバルがアピールする姿を、武藤は黙って見ていられるだろうか。
 
 コンディションに不安を抱えるなか、週末にはビッグマッチがあり、代表では超えるべきライバルがいる。こうした状況をどう捉え、成長の糧にするのか。今回の代表合宿はわずか2日間とはいえ、武藤のメンタルタフネスが問われる舞台と言えるかもしれない。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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