泥沼5連敗のFC東京に何が起こっているのか。小川諒也は「11人の意思が揃っていない」と懸念

2021年05月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

「元気な東京のサッカーを取り戻さないと」(長谷川監督)

鹿島に0-3で敗れたFC東京は泥沼の5連敗。苦境から脱するには今一度、意思統一が必要か。写真:徳原隆元

 5月9日の敵地に乗り込んだ鹿島アントラーズ戦、FC東京は0-3の完敗を喫した。22分にセットプレーから失点、前半の終了間際にミドルを決められて、タイムアップ直前にもゴールを割られた。

 これで5連敗。約1か月前の川崎フロンターレ戦で2-4のスコアで敗れて以降、アビスパ福岡戦は0-1、サガン鳥栖戦は1-2、横浜F・マリノス戦は0-3、そして今節の鹿島戦と、負のスパイラルから抜け出せずにいる。

 鹿島戦では、8日前の横浜戦の反省を生かして臨んだが上手くいかなかった。

「前節のマリノス戦で、全員が食いつき過ぎてやられたという話になっていた。それに意識が行き過ぎたというか、全体的に今度は逆に下がり過ぎて、前線と中盤以降の後ろが嚙み合わなかったシーンはすごく多かったと思います」(小川諒也)

 試合の入りは決して悪くなかったが、徐々に鹿島がボールを握る時間帯が増えてくる。そうした流れの中で先制点を奪われる。「セットプレーから先制されて、前半はそのあと押し返す形を作れなかった」と振り返る長谷川健太監督は、こう続ける。

「もっと押し出して前線の選手がアグレッシブに行く形を作りたかったが、少しいろんなポジションのことを言って、中盤の選手は特に後ろ髪を引かれて、なかなか相手のボールを奪いに行くところまで前半はもっていけなかった。受けてしまうなかで2点目を取られてしまった」

 負けが込んでいるチームがビハインドを背負う。悪い流れが続くなかで、状況を好転させるのは決して簡単ではない。

「チームが上手く行っていない時は、バランスが悪かったり、一つひとつのタイミングが遅れたりとか、球際で相手にボールがこぼれたりとか、そういうところが上手く回らなくなるなと、今日改めて感じました」(森重真人)

 悪循環から抜け出せずにいる。失点も減らない。様々な要因があるはずだが、小川は「ゲームをしている11人の意思が、なかなか揃っていないような気がする」と見解を示す。

「チームとしてどう戦うか。攻撃もそうですけど、守備の時に行くのか、行かないのか。それがまとまっていないというか、行くところと、下がって引くところと、もっともっと自分なり、森重なり、試合に多く出ている選手たちがまとめていかないといけない」

 森重は「チームの中でしっかり話し合って、自分たちでこの状況を上向きにしていかないといけない。自分たち次第でなんとかなるかなと思います」と表情を引き締める。小川も「意思統一して、まとまってやっていきたい」と気合いを入れ直す。
 
 苦しい状況ではあるが、下を向いている暇はない。

「元気な東京のサッカーを取り戻さないと、この苦境を脱することはできないと思いますので、もっともっとアグレッシブにやらせたい」(長谷川監督)

「まずは気持ちのところからポジティブにもっとサッカーをやっていかないといけないと思っています」(森重)

 次節の柏レイソル戦を落とせば、チームの最多連敗記録(6連敗)となってしまう。ここが踏ん張りどころ。戦術面も、メンタル面でも一枚岩となって、良い流れを引き寄せられるような戦いを見せたい。

構成●サッカーダイジェストweb編集部

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