【J1採点&寸評】仙台×浦和|緻密さと殴り合いの結末はドロー。仙台がホームで連敗を止める

2015年05月10日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

4得点だが4失点…。収穫と課題の見えた首位との戦い。

【警告】仙台=なし 浦和=武藤(90+2分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】興梠慎三(浦和)

【試合内容】
 ホームでなんとしても勝点の欲しい仙台と鬼門を突破して首位固めをしたい浦和の一戦は、前半と後半で別の顔を見せる展開となった。

【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・11節
 
 まずは仙台が、8分にキム・ミンテの右足ボレーで先制。その後は浦和が押し込む時間が続き、仙台は集中力を保って攻撃を撥ね返すもロスタイムに痛恨の失点を喫してしまう。
 
 浦和は後半開始からズラタンと梅崎に代えて李と興梠を投入して攻撃の圧力をさらに強める。すると55分に再びCKから2点目を奪い、さらに1分後には李の突破から関根のゴールで突き放した。
 
 だが、仙台がR・ロペスと奥埜を投入したことで潮目が変わる。オープンな展開となって奥埜、渡部、梁のゴールで一気に逆転。勢いに乗ってこのまま試合は終了すると思われたが、浦和も意地を見せて同点に。
 
 前半の緻密さと後半の殴り合いという、両極端な試合を4-4のドローで終えることとなった。
 
 
【チーム採点・寸評】
仙台 6
前半は失点シーンを除けば、ほぼゲームプランどおり。後半には2点ビハインドから逆転まで持っていくパワーを示すも、再び詰めを欠いた。
 
浦和 5.5 
首位の強さと脆さを両方見せ、存分に良さを発揮したかと言えば疑問符が残る。圧力に屈して、またも鬼門で勝利を挙げられなかった。
 
 
【仙台|採点・寸評】
GK
1 六反勇治 5.5
数度のビッグセーブとフィードの精度を見れば、日本代表候補への選出も納得。過失なき失点ばかりだったが、4失点という結果はシビアに評価した。
 
DF
25 菅井直樹 5.5
攻撃的SBとして何度もスタジアムを沸かせる。3失点目に直接絡むも、対面の相手に譲らなかった守備の強さと2アシストを見せた。
 
33 多々良敦斗 5
渡部や菅井、2ボランチとコミュニケーションをしっかり取って守った前半と崩れた後半で、最もパフォーマンスの落差が激しかった。
 
3 渡部博文 5.5
辛抱強く浦和の攻撃を撥ね返す。守備の要となるにはもう一歩階段を上がる必要があるものの、開幕直後の調子を取り戻した印象。
 
5 石川直樹 5.5
関根との勝負では劣勢を強いられてしまうシーンもあった。しかし、冷静なプレー選択でピンチの芽を摘み取る姿は心強い。
 
MF
10 梁 勇基 6.5
サイドハーフに配置され、高い攻撃性能でリズムを作る。特に自身の得点シーンは危険なエリアに入る嗅覚が際立っていた。
 
17 富田晋伍 6.5
主将、そしてフィルター役として中盤でチームを引き締める。ボール奪取力はさすがのひと言で、勝っていればMOMに選んでいた。
 
6 キム・ミンテ 6.5
初出場、初先発での初ゴールは貴重な先制弾。首位相手に物怖じしないプレーぶりで、自身の持つ力を存分に発揮。勝利につながらなかったのが残念だ。
 
8 野沢拓也 6
キム・ミンテへのアシストは高い技術と視野の広さを改めて印象付けた。守勢に回って交代も、出来は良かった。
 
FW
11 金園英学 6
ターゲットマンとなってボールを収め、基準点の役割を全う。献身的なチェイシングでもチームを助けた。85分の決定機は決めてほしかった。
 
9 ウイルソン 5
前々日と前日の別メニュー調整からも分かるように、明らかなコンディション不良。守備時のCKではニアに入った相手にフリーでアシストを許す。
 
交代出場
20 ハモン・ロペス 6.5
立て続けに失点して落ち気味のチームに推進力を生む。キープも勝負もできるので、相手にとっては脅威だったはず。
 
7 奥埜博亮 6.5
追い上げムードを作った2点目は自身のJ1初ゴール。一時的ではあった逆転弾の起点にもなった。
 
4 蜂須賀孝治 -
難しい場面で投入されるも、やるべきことをしっかりと整理できていた。短時間でもアピール成功だ。
 
コーチ
原崎政人 6.5
R・ロペスと奥埜の投入が大当たり。交代策で選手たちに明確なメッセージを伝えて、連敗を止めた。

次ページ2点リードを守り切れず、ユアスタでの勝利はまたも遠く…。

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