クロップの“置き土産”がドルトムントの窮地を救う! 19歳MFと名将の秘蔵ツーショット写真が話題に

2021年04月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

クロップがドルトムント入りを推薦

得点を奪えずに苦しんでいたドルトムントを救ったナウフ。ドイツ世代別代表にも選出されている有望株だ。(C)Getty Images

 現地時間4月11日に行なわれたブンデスリーガ第28節で、ドルトムントは遠藤航が所属するシュツットガルトと対戦し、3-2で勝利を収めた。

 強豪ながら現在リーグ5位と優勝争いからはかけ離れた位置にいるドルトムントは、この試合も苦しんだ。17分に先制点を許した後、得点を奪えずに前半を折り返す。後半に47分、52分と立て続けに叩き込んで逆転に成功するが、78分に失点し、追いつかれてしまう。

 そんななか、80分に決勝点を叩き込んだのがアンスガー・ナウフだった。67分にマルコ・ロイスと交代して登場した19歳MFは、エリア左でハーランドからのパスを受けると、遠藤ら3人のDFを引き付けながら右足を振り抜き、巧みなシュートをゴール右隅に流し込んだ。

 ナウフにとってブンデス出場3試合目にして初のシュート、そして初ゴールは、ドルトムントを勝利に導く決勝点となった。現地メディアは「新たなスターの誕生」「エース候補に名乗りを上げた」と、ユース出身の新星に熱狂している。

 試合後に「僕にとっては信じられないような1週間だった」とはにかみながら語った青年は、現地誌『kicker』によれば、かつて監督を務めていたユルゲン・クロップが見出した存在だという。
 
 2014年、当時12歳だったナウフは、『kicker』とオペル社が共同主催した「オペル・ファミリー・カップ」に出場し、大会の最優秀選手に選出された。そして表彰の際に、アンバサダーとして参加していたクロップに肩を抱かれて祝福される写真が残っており、『kicker』が12日付けで公開している。

 実はこのとき、クロップはナウフのドルトムント入りを推薦したそうだ。トライアル・トレーニングを経て、当時ゲッティンゲンに所属していた少年のもとには正式にオファーが届いた。だが、ニーダーザクセン州の都市からドルトムントに通うには、シングルマザーの家庭にとっては負担が大きかったという。

 そのため、ナウフはいったんハノーファーのユースチームに移籍。しかし、その後に再びドルトムントにリクルートされ、2016年、15歳のときにようやくユースチーム入りを果たしたそうだ。

 以降、ナウフは着実にステップアップ。6日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)準々決勝第1レグで先発して周囲を驚かせ、シュツットガルト戦では勝利の立役者となった。現地紙『Ruhr Nachrichten』は、「クロップが発掘の一端を担った至宝が、窮地にいたドルトムントを救った」と称えている。

 同クラブでは18歳ジョバンニ・レイナ、16歳ユスファ・ムココがヨーロッパでも注目を集める存在だ。そして、かつてのクロップが目をかけ、彼らとともにユースチームで躍動したナウフも、今後は目の離せない存在になっていきそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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