「ネット上での“虐待”は制御不能だ。だから…」リバプール主将のヘンダーソン、SNS上のいじめ撲滅キャンペーンに参加

2021年04月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

同僚のケイタ、アーノルドが人種差別被害に遭ったばかり

SNS上のいじめに対抗すると表明したヘンダーソン。プレミアリーグでは人種差別の被害が相次いでいる。(C)Getty Images

 現地時間4月6日に行なわれたチャンピオンズ・リーグ(CL)準々決勝第1レグで、リバプールはレアル・マドリーに1-3で敗れた。

 この試合後、MFナビ・ケイタとDFトレント・アレクサンダー=アーノルドのインスタグラムに人種差別的なコメントなどが複数確認される事態に。クラブは「忌まわしい事件について、調査を進めている。可能ならば起訴も視野に入れる」と声明を出していた。

 そんななか、主将を務めるイングランド代表MFジョーダン・ヘンダーソンが8日、相次ぐネット上でのトラブルについて「個人としてできることはないかと考えていた」とコメント。そして、SNSでのいじめやトラブルに対抗すべく、「People Not Profile」キャンペーンに参加すると発表した。
 
「オンライン上の虐待はなくならなければならない。僕は、友人、チームメイト、サッカー界の他の選手たち、そして社会全体が恐ろしい虐待を受けているのを目の当たりにしてきた。

 彼らはもはや制御不能だ。プラットフォームはもっと努力してほしいとは思うが、社会として、僕らはもっと互いに寛容に、優しくなる必要がある。ここ数週間、アカウント削除を真剣に悩んでいたけれど、そのかわり、今はこのプラットフォームを利用することにした」

 そして、オンライン上で被害に遭った人々の体験談などで啓蒙活動を続けている団体と自身のアカウントを提携し、情報提供に協力するという。

「悪用を避けるためだけに、人々がプラットフォームをボイコットしたり、アカウントを停止したり、削除したりする必要はないはずだ。提携した『CybersmileHQ』は、ネットのいじめや虐待が与える影響を周知し、もし周囲に助けを求めている人、悩んでいる人たちがいたら、どうしたらいいのか分かる方法も提供する。物事は変わるべきなんだ」

 提携先の『Cybersmile Foundation』の共同設立者であるダン・レイズベック氏も同日、声明を発表。「ヘンダーソンをはじめとした著名なアスリートたちがこの運動に参加してくれる予定だ。オンライン虐待やネットいじめは人々の生活に大きな影響を与える。悩んでいる人たちのサポート、アドバイスへのアクセスを提供する窓口になるはず」と勇気ある現役選手の働きかけを歓迎している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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