「相手もバカじゃないんで…」久保建英の発言から読み解く“至宝の活かし方”

2021年03月28日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「どういう選手かバレていると思う」

アルゼンチンとの初戦は厳しいマークを受けながらも何度かチャンスを創出した久保。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 U―24日本代表は3月26日に、U―24アルゼンチン代表との「SAISON CARD CUP2021」の初戦に0―1で敗れた。

 21分にカウンターから失点すると、チャンスを作りながらも試合巧者のアルゼンチンの守備網を最後まで崩せず、消化不良のままゲームが終了した印象だ。

 抜群の打開力でJリーグを席巻している三笘薫との"初共演"で注目を集めた久保建英も、厳しいマークに遭い、得意のドリブル突破を試みても、ファウルで潰されるシーンが少なくなかった。

 試合後、ハーフスペースでボールを受けていた自身のポジショングを問われた久保は、「自分が受けやすくて、なおかつ相手の嫌なところにいたつもりでした」と語り、こう続けている。

「嫌なところにいるということは、相手もバカじゃないので消してくる。ただ、自分だけが選択肢ではないので、それで外が空いたりして、2人目、3人目が作り出したチャンスが何回かあった」

 この"日本の至宝"を自由にはさせないとばかり、久保がボールを持つと、ヘルタ・ベルリンのMFサンティアゴ・アスカシバルを中心にアルゼンチンの選手が即座に取り囲むという場面が何度も見られた。本人も「どういう選手かバレていると思うので、難しさは多少あって、特に前半は中央のスペースはなかった」と振り返っている。

【動画】久保が3人に囲まれながらも旗手に通した絶妙パス(35秒~)
 当然、五輪本番でも、個の打開力に長けた久保が厳しいマークに遭うことが想定される。だが、本人も語っているように、マークが集中すれば、それを逆手にとることもできる。

 例えば、初戦のアルゼンチン戦の17分のシーンだ。左SBの旗手怜央からボールを受けた時、久保は3人に囲まれる形となっていた。それでも敵を引き付けながら十分にタメを作り、中に入ってきた旗手にパス。最終的に三好康児へのクロスが合わなかったものの、先制点が生れてもおかしくないチャンスを創出した。

 久保がボールをキープしたときに、どれだけ周囲が良い形で連動できるか。それが、このレフティの活かし方のポイントとなりそうだ。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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