7人が関与し、つないだパスは13本。鹿島・荒木遼太郎のフィニッシュに至るまでの連動性ある崩しをプレーバック

2021年03月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

右サイドの小泉から三竿へ。ここからスピードアップ

広島戦で貴重な同点弾を決めた荒木。これで開幕から3戦連発と絶好調だ。写真:滝川敏之

 フィニッシュに至るまでの流れは、実に見事だった。

 J1リーグ第4節の鹿島アントラーズ対サンフレッチェ広島戦は1-1のドロー決着。特筆すべきは、連動性に富むパス交換から生まれた鹿島の荒木遼太郎の同点弾だ。

 0-1で迎えた69分。右サイドで相手のクリアを拾った土居聖真が、小泉慶にバックパス。小泉は中央の三竿健斗に横パス。受けた三竿は前にいるファン・アラーノに預け、リターンをもらって、相手のギャップをついてフリーになっていた荒木遼太郎にパスを通す。荒木は左サイドで高い位置を取る杉岡大暉に。杉岡は対峙するDFを振り切ってクロスを供給する。

 このボールは中で誰にも合わず右サイドに流れたが、小泉が素早く反応し、回収後に三竿にパス。ここからスピードアップ。三竿はパスをもらいに来た荒木に。そこから荒木→J・アラーノとダイレクトでつなぎ、J・アラーノはペナルティアークにいる土居へ。土居は振り向いて後ろのエヴェラウドへ。その間に荒木がするするとゴール前に侵入。その荒木にエヴェラウドが強めの縦パス。受けた荒木は左足でトラップし、振り向きざまに右足を振り抜き、ネットを揺らした。

 この時、広島の最終ラインには6人がスタンバイし、その前には3人。計9人が守る敵の守備陣形を鹿島の選手たちはこじ開けてみせた。
 
 このゴールに関与した鹿島の選手は全部で7人。杉岡のクロスもカウントすれば、つないだパス本数は13本。左右に揺さぶり、緩急をつけた鮮やかな崩しから、荒木のファインゴールは生まれた。

構成●サッカーダイジェストweb編集部

【J1第4節PHOTO】鹿島1-1広島|アグレッシブに戦った鹿島と広島。互いに譲らず1-1のドロー決着

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