【鹿島】「もう少し我を出しても…」土居聖真に芽生えた自覚。湘南戦での「一番らしくなかった」と語るプレーは?

2021年03月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

山形出身の土居は震災から10年の想いを語る

「内容も結果も良かった」と湘南戦での勝利で自信を深めた土居。写真:滝川敏之

 東日本大震災から10年の節目を迎えた3月11日、鹿島の土居聖真はオンライン上で取材に応じ、「東北出身ですし、今も地元に帰る度に思い出します」とその想いを語った。

 山形県出身の土居は、「何年経ってもあの場所にいた人たちの心というのは、癒やされないままだと思う。僕個人としてはサッカー選手として、サッカーでしか勇気づけること、元気づけることはできない」として、「一人でも多くの人に響くようなひとつのプレー、ひとつの勝利というものを僕らは目指して頑張っている。頑張ろうと、思える希望になれれば良いなと考えています」

 前日に行なわれた3節・湘南戦ではそんな想いがこもったプレーを見せていた。

 FWとしてやや下がり目の位置で先発した土居は、3分に左サイドでしつこく仕掛けゴールライン際からのクロスを供給し先制点を演出。その後もキレキレのドリブルで何度も好機を創出した。

 シーズン開幕前には「らしくないところを見せていきたい」と語っていた土居は、78分にこの試合「一番らしくなかった」と語るペナルティアーク付近からのオーバーヘッドキックを披露し、敵ゴールに迫った。
 
 試合を振り返って土居は、「もう少し欲張って我を出しても良いのかなと思います。ドリブルで仕掛けて、良いところで、良い状態の選手に出せるのも良いと思いますが、自分でシュートまで行っちゃってもいいのかなと。シュートをもっと打ちたいなというのが自分でもあるので、そこは昨日の個人的な反省点です」と貪欲にゴールを目指す姿勢を明かした。

 根底にあるのは「ここ数試合、言い方悪いですけど、味方に預けるよりも、自分でやり切った方がチャンスになるのかなと感じています。状況が打開できないなら自分でやっちゃえという感覚」という好調さだ。

 さらに自身の覚悟についてもこう語る。

「ドリブルで仕掛けたり、前線のコンビネーションを絡めて、昨日は2人ではなくて、3人、4人と絡むような攻撃を仕掛けられた。相手に守備の部分で的を絞らせない攻撃というのが多々できたのではないかと思う。その起点や先頭に立つのが自分じゃなくちゃいけないこと思うので、(昨日は)そこの部分がたくさん出せたと思います」

 湘南戦でリーグ戦初白星を挙げた鹿島は、中2日で次節・広島戦を迎える。

 鹿島一筋11年目、ユース出身の生え抜きは、「1シーズン通して11人、(ベンチメンバーを含む)18人では戦えないので、出ている選手、出ていない選手が全員同じ気持ちで準備して、いざ自分にチャンスが回ってきたときにパフォーマンスが出せないとチームに貢献できないと思うので、優勝に近づく為にはチーム力というのは大事かなと思います」とクラブ創設30周年の節目のシーズンでの優勝を見据えている。

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構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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