「ギリギリのタイミングまで安全確認の責任を持っている」Jリーグ・村井チェアマンはスタジアムでの当日検査導入を検討

2021年03月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

「相手選手に感染を拡大するリスクが極めて少ないことが説明できる」

オンサイトでの検査導入には、「クラブとしてではなく、リーグで対応していきたい」と語る村井チェアマン。※写真は会見中のスクリーンショット

 Jリーグは3月8日、今回で27回目となるNPB(日本野球機構)と共同で行なっている「新型コロナウイルス対策連絡会議」を実施。その後にオンライン上で会見を開催した。

 この日大きなテーマとなったのは、新型コロナウイルス陽性者が出た場合の対応で、オンサイト(現地)での検査導入についても議論された。

 2月26日に開幕したJリーグでは、先日ガンバ大阪で選手4名、スタッフ1名がPCR検査で陽性判定(その後トップチーム選手1名も陽性判定に)となり、3月3日の第11節・名古屋戦が中止となっていた(その後に第2節・鹿島戦も中止に)。

 Jリーグの村井満チェアマンは「先週末、ガンバ大阪での陽性者判定について、試合中止決定のプロセスを開示して、専門家からのご意見をもらった」と語り、現状を説明した。

「累計5名の感染者が出たということで、概念としてはクラスター(集団感染)に当てはまる。現状はクラブと保健所が活動範囲について相談中です。アカデミーやスクールは直接の関係がないので、中止の意図はない。通常の検査も繰り返し行なっているなかで、段階的に再開は可能ではないかと思っています。クラスターイコール全ての活動が中止というわけではない」(村井チェアマン)

 保健所のほうでスタジアムの調査も行ない、現状では大きな指摘事項は無かったという。
 
 その一方で、コロナウイルスの感染拡大防止が大前提となるものの、試合開始直前に判明した今回のようなケースでは、保健所に対応を要請しても、濃厚接触者の特定など、その場で早急な判断を求めることは極めて難しい。

 そこで現在議題に上がっているのがオンサイト(現地)での検査実施だ。

 村井チェアマンは、「リスクを回避しながら進めるという大前提は変わらない。キックオフの試合当日の昼過ぎに(陽性者が)出てくるという場合、極論、試合会場で検査をすることで、90分間の試合において、相手選手に感染を拡大するリスクが極めて少ないことが説明できる」「具体的な手法は専門家と相談していきたい」と前向きな姿勢を示した。

 まずは、通常の定期検査で陽性判定者が出たチームを対象に、スタジアム入り後に検査することで、対戦相手への安心感を与える狙いだという。

「ギリギリのタイミングまで安全確認の責任を持っている。リーグとして対応していきたい」と村井チェアマンは今季からの導入も視野に入れているという。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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