【J1戦力分析|ベガルタ仙台編】4チーム降格の厳しい1年を戦い抜く陣容形成は見通し不透明

2021年02月08日 板垣晴朗

クラブを熟知する手倉森監督の存在が頼もしい

ベガルタ仙台の予想布陣。選手の絶対数、経験豊富なベテランが減った。特に手薄な最前線にさらなる補強はあるか。(C)SOCCER DIGEST

 新型コロナの特例措置がなければ、17位の昨季は降格していた。経営面の不振も重なり深刻な状況下にあるため、現実的な目標はまずJ1残留だ。

 8シーズンぶりのクラブ復帰となった手倉森監督は、資金力に乏しい仙台を2012年のJ1で2位に導いた実績を持っている。

 だが今回は事情をよく聞いたうえで監督に再就任した経緯もあり、「本当に謙虚に、皆さんの信頼を勝ち取るべく、地道なことをこつこつやる」と、4チームが降格する厳しいシーズンを乗り切ることを当面の目標とする。

 監督就任が遅めの昨年末となった影響もあってか、戦力の補強も遅れ気味だ。

 上原やマルティノスといった前への推進力を生み出せる即戦力を獲得できたのは大きいが、入団よりも退団した選手のほうが多く、シーズンを戦い抜ける陣容をしっかり形成できるか見通しは不透明。とくにFWは選手層が薄く、さらなる補強が必要だ。
 
■ポジション別戦力分析
FW
長沢の放出などで戦力値が大幅にダウンしている。新加入の皆川をカウントしても頭数自体が不足しており、生粋のFWは赤崎だけだ。

MF
ボランチに上原が、2列目にはマルティノスと氣田が加わり、新人の加藤も有望株。クエンカも残留し、戦力の充実度は昨季を上回る。

DF
S・マテと平岡がコンビを組み、控えも頭数が揃うCBは昨季並みだ。一方でSBは本職が足りず、新戦力の秋山や長倉がカギを握る。

GK
昨季に勝るとも劣らず。正守護神のJ・スウォビィクが契約を更新し、サブにもプロ1年目に成長を遂げた19歳の小畑が控えている。

監督
リオ五輪の日本代表監督などで国際舞台でも経験を積み、長崎経由で戻ってきた。財政面を含めクラブの事情を熟知しており、頼もしい。

※『サッカーダイジェスト』2月11日号(1月28日発売)より一部修正して転載。

文●板垣晴朗(フリーライター)
 
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