「ジェラードに殺意の目で…」201センチ男・クラウチが激動のリバプール時代を回想「生きるか死ぬかだった」

2021年01月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

南野拓実にも小さくないヒントに!?

圧倒的な高さを活かしてプレミアで活躍したクラウチが、リバプール時代の思い出を回想した。 (C) Getty Images

 1992年に発足して以来、プレミアリーグでは様々な点取り屋たちが異彩を放ってきた。そのなかでも、強烈なインパクトを残したのがピーター・クラウチだ。

 201センチという巨躯を利した圧倒的な空中戦の強さもさることながら、大柄のわりには足下の技術にも長け、意外性のあるアクロバチックなゴールを量産したCFは、イングランド代表でも2度のワールドカップに出場した。

 その21年に及んだキャリアの中でも本人が「忘れられない」と振り返るほど印象に残る月日を送ったのが、2005年の夏から約3年間に渡って在籍したリバプール時代だ。

 クラウチが入団した当時のリバプールは、前シーズンにあの「イスタンブールの奇跡」で史上5度目の欧州制覇を成し遂げ、スペイン人監督のラファエル・ベニテスの下でのトップリーグ制覇への機運が高まっていた。

 メンバーもスティーブン・ジェラードとジェイミー・キャラガーの生え抜きコンビを中心に、シャビ・アロンソ、フェルナンド・モリエンテス、ハリー・キューウェル、ルイス・ガルシアなど各国の名手が揃っていた。

 この名門での競争の日々を、クラウチは英放送局『BT Sports』の番組内で、こう振り返っている。

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「リバプールに行って、僕のパフォーマンスは格段に向上した。僕だけじゃない新しく入ってきた選手全員のパフォーマンスが上がったよ。なぜか? それはスティービー(ジェラードの愛称)が出す素早いボールを上手く受けられなかったら、彼が殺意のこもったような目線でこっちを睨むからね」

 さらに「いつしか僕はラファ(ベニテス監督)よりも、スティービーに自分をアピールしようさえしていた」というクラウチは、絶対的なキャプテンがもたらした影響を語った。

「ああいうキャプテンがいることによって自分がレベルアップする。少なくとも僕はリバプールでパフォーマンスが10倍になったね。正直、それまでは選手たちが本当に倒れ込む姿なんて見たことがなかった。

 けど、あのチームでは誰もが倒れ込む。それぐらいにやらないとスティービーやキャラガーに応えられない。まさに生きるか死ぬかだった! 僕はあのクラブで絶対に成功したかったから死に物狂いで練習したよ」

 リバプールというタフな環境で自らを鍛え上げたことが、「その後の選手キャリアに活きた」と語るクラウチ。そんな名手の言葉は、現在のユルゲン・クロップ体制で激しい競争を強いられている南野拓実をはじめとするレッズの選手たちにも小さくないヒントになりそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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