【仙台|新体制】“口説き上手”の手倉森新監督効果で実力者を次々に獲得! 躍進した2012年を彷彿とさせる陣容に!

2021年01月23日 小林健志

新シーズンのテーマは「推進力」

昨季に特別指定で出場していた2選手を含む12人の新戦力が加入した仙台。手倉森新監督のもと新たなシーズンをスタートさせた。写真:小林健志

 1月18日に始動したベガルタ仙台。21日の夜には、新シーズンに向けた新加入選手記者会見を行なった。例年であれば市内のホールでサポーターを集めて開催されるが、今年はコロナ禍のため、メディアのみが参加。サポーター向けには、投げ銭システム(ギフティング)付きのインターネット配信を行なった。同時接続最大967人、延べ人数6573人が視聴し、会見終了時点で138万円を超えるギフティングが集まるなど、リモートではあったが、サポーターの熱気も感じられた。

 クラブが債務超過に陥り、DF浜崎拓磨、MF椎橋慧也、FW長沢駿など昨季の主力を含め、15人がチームを去ったこともあり、今季の編成は不安視されたが、1月22日時点で28人の選手と契約。

 GKヤクブ・スウォビィク、DFシマオ・マテ、MFイサック・クエンカなどチームの軸となる外国籍選手を残留させることができ、浦和からFWマルティノスを獲得。その他、日本代表も経験したFW皆川佑介、J2磐田でかつて名波浩のつけた背番号7を背負って活躍したMF上原力也、攻撃センスのあるレフティMF秋山陽介など実力者を迎え入れた。

 CSKAモスクワから期限付き移籍中だったFW西村拓真の去就はまだ未発表だが、ひとまず大きな戦力ダウンは避けられた。
 
 今季8シーズンぶりに仙台の指揮を執る手倉森誠監督は、今回の補強の狙いについて「推進力」を挙げた。「ボールを握れる、運べる選手、前への推進力を持てる選手をターゲットに、我ながら良いメンバーが揃ったと思います」とご満悦の表情だった。

 新加入選手は走力があり、縦への推進力のある選手が多く、2011、12年(リーグ4位、2位)と上位にいた時の仙台をどことなく彷彿とさせるメンバーが揃った。

 監督自身も電撃的な就任直後から、積極的に選手補強の先頭に立っていた。その指揮官からの口説き文句について問われると、皆川は「僕は2014年のアギーレジャパンの初陣で一緒に仕事をさせていただいて、また一緒に(戦って)日本代表へ返り咲こうという言葉が一番響いて、奮い立たせてくれました」と明かした。

 J2長崎で昨季に手倉森監督と共に戦ったMF氣田亮真は「昨年、『来年どうするんだ?来い!』と一言いただきました」と鶴の一声で移籍へと心を動かされたという。また、マルティノスも「自分をどう起用したいのかという点で良い話し合いができ、仙台に来ようと決断しました」と語り、外国籍選手にも熱心に声をかけていたようだ。

 厳しいクラブ状況の中、質の高い新戦力を獲得できたのは、モチベーターである新監督の存在があってこそだろう。

 この後、チームは1月25日から宮崎県で約1か月の長期キャンプに入る。手倉森監督のカラーをこの期間にどこまで浸透させられるか、大いに注目だ。

取材・文●小林健志(フリーライター)
 

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