17歳で起業。C・ロナウドの信頼を勝ち取った日本人社長――世界屈指のサッカーメモラビリア専門ブランドの企業力

2021年01月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

スポーツメモラビリアは人生の教訓のリマインダー

世界的にも珍しい専門ブランドを立ち上げた代表取締役の伊藤大也氏。

 クリスティアーノ・ロナウド公認の直筆サイン入りコレクションをプロデュースするサッカーメモラビリア専門ブランド『ザ・ダグアウト』。なぜ日本の会社が世界で類を見ない多彩なラインナップでファンを魅了するのか。その強みに迫る――。

 博物館を彷彿とさせる東京・南青山のショールームで、代表取締役の伊藤大也氏に話を聞いた。エントランスでは「To My Japanese Friends – C. Ronaldo」と書かれた直筆サイン入りのパネルが出迎えてくれた。ここでしか見られない愛情を感じさせるメッセージだ。

「地道な信頼の積み重ね。2005年から販売していますから」と伊藤氏。C・ロナウドのメモラビリアは世界ナンバーワンのラインナップだという。

■17歳でオンラインショップを立ち上げ

――よほどの関係がないとこれだけ揃えられないと思います。C・ロナウドとの繋がりは。

「2005年、ご本人がまだ20歳の頃、代理人へアプローチして取引を開始しました。当時から真贋が不明瞭なサインが広く出回っていて、公認商品の必要性を訴えました。インターネット普及初期でECサイトも少なかった頃、極東の専門サイトは目を引いたのかもしれません。今では面会イベントも国内外で実施しています(現在は受付中止)」

――起業された経緯を。

「サッカー選手の直筆サイン入りユニフォームを飾りたいと思ったとき、安心して購入できる場所がなかったのがきっかけ。17歳でオンラインショップを立ち上げ、今に至ります」

――高校生ですよね。資本金の工面は。

「14歳の時にベッカム選手のファンサイトBECKHAM7.tvを設立し、そのスポンサー収入を充てました。月間300万PVを記録し、アディダス公認のサイトにも認定されました。当時、世界で最も有名なベッカム選手のサイトだったと思います」

■自宅観戦を唯一無二の環境で

――ザ・ダグアウトの名前の由来を教えてください。

「"特別な場所/環境"という意味です。サッカースタジアムにいい席はたくさんあります。迫力の最前列、一体感あるゴール裏、見晴らしの良い2階席など。でも選手を身近に感じられ、より特別な気持ちに浸れるのはダグアウト付近だと感じたからです。スタジアムに行けなくとも、メモラビリアを飾ることでそれに準ずる環境を整え、自宅観戦を楽しんでもらいたいと思いました」

――たしかにメインスタンド中央は高額なイメージです。

「実際、調べてみると世界の主要スタジアムで最高額の席はダグアウト付近でした。見晴らしだけならバックスタンドにも同様の席があります。やっぱりプラスアルファがあるんだと感じました」
 

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