年間予算1億円にも満たない3部クラブがマドリーを撃破! “予想外”の勝利に選手たちも感嘆「夢に生きて――」

2021年01月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

「マドリーを気絶させた」

泥だらけになりながら身体を張ったプレーでマドリーの猛攻に応戦したアルコヤーノ。そのひたむきな姿勢が勝利に繋がった。 (C) Getty Images

 衝撃のアップセットに賛辞が集まっている。

 現地時間1月20日に開催されたコパ・デル・レイの3回戦で、このラウンドから登場したレアル・マドリーを本拠地に迎えた2部B(実質3部)のアルコヤーノが2-1で勝利した。

 立ち上がりからボールを支配されたアルコルヤーノは、44分にCKの流れから先手を取られたものの、粘り強い守備で追加点を許さない。そして、80分にCKからホセ・ソルベスが同点弾をねじ込んで延長戦に持ち込むと、延長109分にラモン・ロペスが退場となって数的不利となるも、115分にフアナンが逆転弾を決め、大金星を挙げた。

 スペイン・サッカー界の盟主を打ち破り、現地メディアを「ジダンを傷つけ、マドリーを気絶させた(全国紙『AS』より)」と愕然とさせたドラマチックなジャイアントキリングに、他でもないアルコルヤーノの選手たちも驚きを隠せない。

 チームを巧みに統率したキャプテンのジュリは、試合後のフラッシュインタビューで、興奮気味に率直な心境を打ち明けた。
 
「夢に生きて終わりたかった。これは僕らにとって本当にすべてのことを意味する。新型コロナウイルスによって僕らはとても複雑な状況にあったからね。今日はチームや関係者、サポーターたち、そして神に感謝して、苦しい問題を忘れることができたんだ」

 無論、アルコヤーノの首脳陣の喜びもひとしおだ。アントニオ・ジャスティシア会長は、「今の選手たちとは契約について再交渉をしないといけないね(笑)」とジョークを交えつつ、感情を爆発させた。

「選手たちへのボーナス? 本当に予想していなかったことだからね。私たちは座って話し合わないといけないよ。本当に素晴らしい勝利だよ。エネルギーの爆発だ。我々の予算は80万ユーロ(約1億円)にも満たない、70万ユーロ(約8750万円)を少し超えたぐらいだ。それでいて新型コロナウイルスの影響で試合や練習が満足にできずに苦しんできたから、この試合に懸けるものはあった」

 クラブの規模を考えても、まさに予想外のアップセットと言えるだろう。その劇的勝利の主役となったアルコヤーノの選手たちは、何が起こるか分からないサッカーの面白みを見せてくれた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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