【移籍市場超速報】ミハイロビッチはミラン? ナポリ? 熱を帯びる「監督市場」にも注目!

2015年04月10日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

ナポリは「ベニテス後」に向けて動いている。

フィオレンティーナのモンテッラ監督は続投の可能性が高いが、ミランやナポリが狙っているだけに……。 (C) Getty Images

【サンプドリア】ミハイロビッチ監督は今シーズン限りで退団へ
 
 ここまでほぼコンスタントにヨーロッパリーグ圏内を保ち、しばしば3位争いに絡むなど近年になくポジティブなシーズンを送っているサンプドリア。その立役者がシニシャ・ミハイロビッチ監督であることは疑いのないところだ。シーズンも終盤を迎え、はたしてミハイロビッチは来シーズンもジェノバに残って指揮を執り続けるのかに、大きな関心が集まっている。
 
 結論から言えば、その可能性は低い。ミハイロビッチはすでに決断を下しており、おそらく週末のミラン戦の後に、マッシモ・フェレーロ会長に正式にその意思を伝えることになるだろう。クラブは続投を強く望んでおり、好条件の契約更新をオファーして考える時間も与えたが、ミハイロビッチの決心は揺るぎそうにない。
 
 すでに彼の下にはミラン、そしてナポリがアプローチをかけており、来シーズンはそのどちらかで指揮を執る可能性が高い。
 
 では、後任は誰になるのか。サンプドリアはエウジェニオ・ディ・フランチェスコ(サッスオーロ)とジャンピエロ・ヴェントゥーラ(トリノ)を候補に挙げている。ステーファノ・コラントゥオーノ(前アタランタ)、ジュゼッペ・イアキーニ(パレルモ)、アンドレア・マンドルリーニ(ヴェローナ)の名前も挙がっているが、優先順位は低い。
 
 ただし、ディ・フランチェスコもヴェントゥーラも所属クラブとの契約を残しており、クラブ側が退団を受け入れるかどうかをまず打診する必要がある。もしその可能性がなければ、他の候補にターゲットを移すことになるだろう。
 
【フィオレンティーナ】モンテッラ退団の場合、次期監督は?
 
 フィオレンティーナはヴィンチェンツォ・モンテッラ監督と2017年まで契約を残しており、来シーズンも続投が基本線。しかしマスコミレベルではミランやナポリの次期監督候補に名前が挙がっていることも事実だ。
 
 もし万が一退団ということになった場合、クラブには複数の次期監督候補を検討する用意がある。ロベルト・ディ・マッテオ(シャルケ)は真っ先に候補に挙がるひとりだろう。ただし、シャルケが簡単に手放すとは考えにくい。
 
 他にはディ・フランチェスコ(サッスオーロ)、ワルテル・マッザーリ(前インテル)、アンドレア・ストラマッチョーニ(ウディネーゼ)といった名前が有力候補になるだろう。地元トスカーナ出身のルチアーノ・スパレッティ(前ゼニト)もひとつの可能性だが、何よりも予算的に難しいというのが実際とのところだ。
 
 最も可能性が高いのはモンテッラの続投だが、もし思わぬ事態が起これば……。
 
【ナポリ】「ベニテス後」に向けて動くデ・ラウレンティス会長
 
 コッパ・イタリア準決勝での敗退を受け、チームに懲罰合宿を命じたナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長。次の仕事は、今シーズン限りで退団が濃厚になっているラファエル・ベニテス監督(行先はマンチェスター・シティか)の後任探しだ。
 
 マッザーリがインテルに去った後釜探しがそうだったように、次の監督人事も会長自らが全面的な権限を持って進め、契約まですべてを行なうことになる。
 
 現時点で候補に挙がっているのは、モンテッラ(フィオレンティーナ)、ミハイロビッチ(サンプドリア)、スパレッティ(前ゼニト)。すでにデ・ラウレンティス自身が最初のアプローチを済ませているが、最も有力なのはどうやらスパレッティ。より具体的な構想について話し合いたいというリクエストが伝えられた模様で、今後の動きが注目される。
 
【翻訳】
片野道郎
 
翻訳者からのごあいさつ
 イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。
 
 イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。
 
 セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。
 
 ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。
 
 ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。
 
 そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)
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