ファン・ダイクの長期離脱はミスジャッジが原因!? 当時の主審が“非”を認める「私が間違っていた…」

2021年01月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

ピックフォードとの接触で全治8か月の大怪我を追う

ピックフォードのレイトタックルで、選手生命を脅かす大怪我を負ったファン・ダイク。このワンプレーを当時の主審が振り返った。 (C) Getty Images

 プレミアリーグの今シーズンの序盤戦で小さくないトピックとなったのが、リバプールに所属するオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイクの長期離脱だ。

 昨年10月に行なわれたエバートン戦(プレミア第5節)で、ゴールをねじ込まんと敵エリア内へ攻め上がっていたファン・ダイクは相手守護神ジョーダン・ピックフォードと接触。この時に右膝を蟹ばさみをされるように巻き込まれ、全治8か月という前十字靭帯損傷を追った。

 大黒柱の長期離脱がリバプールにとって大きなダメージだったことは言うまでもない。ユルゲン・クロップ監督は、マイケル・オリバー主審の判定がノーファウルで、なおかつファン・ダイクのオフサイドだったことに「怪我は、我々にとって付き物だが、あれは試合の激しさによるものではなかった。ひとりの人間(ピックフォード)のおかしな判断のせいだ」と怒りを露わにしてもいた。

 そんな問題のシーンについて、当事者の一人が初めて口を開いた。現地時間1月10日に英紙『Daily Mail』の取材に応じたオリバー主審は、「間違っていた。着実に進めることに夢中になり過ぎた」と自らのミスジャッジを認めた。

「あのとき、最初にオフサイドかどうかを見ようと思った。もしも、そうであれば、ペナルティにはならないからだ。そのことを私はVARルームにも伝えたよ。『オフサイドじゃなきゃペナルティにする』とね。私はピックフォードが故意にああいうプレーをしたとは思わないが、間違っていたと方法だとは本当に思っている。それはファン・ダイクが怪我をしたことが明確に表わしている」
 
 さらにオリバー主審は、「私を含めて誰もがピックフォードのファウルを取ることを考えていなかった」と、当時の審判団で考えを明らかにした。

「試合後に見返して、オフサイドを与えたうえでピックフォードを退場させるべきだったとも思う。ただ、あの時、ピッチ上では何も期待されていなかった。レッドカードを求める選手は誰もいなかったよ。とにかく我々は段階的に物事を進ませるのに夢中になり過ぎたんだ。ペナルティを与えるかどうかは別としてピックフォードに罰を与えるべきだった」

 プレミアリーグではVARの導入に関する基準が問われ続けている。いつ使用されるのかが主審の裁量に委ねられているからだ。その問題についてオリバー氏は持論を口にしている。

「VARが一つの強迫観念になっていることは知っている。だが、私はそのシステムが必要だと感じているし、何よりも試合をより公正にさせることに役立っていると思う。私はモニターをチェックした後の判定に対して選手たちから不満をぶつけられたことはほとんどない。そして我々のような審判たちに対する虐待がほとんどなくなっているは大きな進歩だ」

 果たして、一連の発言をリバプール関係者はどのように捉えるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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