「理想的だが…」ヘタフェ移籍の久保建英に地元紙が抱く期待と懸念。指揮官が「確信している」こととは?

2021年01月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

指揮官ボルダラスが久保に期待することは?

ビジャレアルでは満足に出場機会が得られなかった久保。新天地ヘタフェで期待されていることとは――。 (C)Mutsu FOTOGRAFIA

 注目されたサムライ戦士の去就にようやく決着がついた。

 現地時間1月8日、ラ・リーガ1部のヘタフェは、レアル・マドリーからビジャレアルにレンタルされていた久保建英を、今シーズン終了までの期限付で獲得することを発表した。

 今シーズンのヨーロッパリーグへ出場する強豪のビジャレアルへとステップアップを果たした久保。しかし、ラ・リーガでは出場13試合中先発は2度だけと、ウナイ・エメリ監督の確固たる信頼を掴めず……。下部組織上がりのジェレミ・ピノらの台頭でさらに序列が下がったことで日本代表MFは、出場機会を求めてヘタフェからのラブコールに応じた。

 ヘタフェのホセ・ボルダラス監督が獲得を熱望したという久保の加入は、地元メディアでも話題を呼んでいる。

 マドリードに拠点を置く『Marca』は、今シーズンのリーガで暫定16位と低迷しているヘタフェの不振の主因を16試合で12点しか決められていない「得点力不足」としたうえで、「指揮官のボルダラスはクボのフレッシュさ、クオリティー、スピードに期待している」とした。

「今のヘタフェにはクボのようなスピードと1対1でのドリブル能力、敵陣の深い位置でファウルを引き出す能力を持った選手がいない。ヘタフェは多くの問題を抱えているが、主な問題はゴールの欠如だ。通常の状況からは程遠いボルダラスのチームは、ゴールとアシストで彼が貢献してくれることを確信している」

 同紙は「もっとも才能のある選手のために布陣を変えることも否定できない」とヘタフェが久保の入団によりチームに定着させてきた4-4-2から4-2-3-1や4-1-4-1にシステムを変える可能性を指摘した。

 一方で"懸念の声"もある。『Marca』と同じくマドリードに拠点を構える『AS』のデ・ラ・ロサ記者は4-4-2の両サイドハーフにハードワークとフィジカルを求めるヘタフェに「クボはフィットしないのではないか」と伝えた。

「ボルダラスは右ウイングを強化するために才能を求めた。能力に溢れ、素早く、推進力を持ったクボは、相手の守備を打開するのに苦しむヘタフェにとって理想的だ」

「ただ、クボが昨今のヘタフェに適応できないのではないかという懸念もある。現在、右サイドに入っているスアレスとニョム、そして左サイドに配置されているククレジャとオリベイラは何よりもフィジカル能力に長けている。ボルダラスがサイドの選手に求めるフィジカルと献身性に日本人が適応できなかった場合、他のオプションが開かれることになる」

 スペインの複数メディアによれば、現地時間1月10日に開催されるエルチェ戦(ラ・リーガ第18節)の出場は間に合わないものの、今月20日のウエスカ戦で「能力を測るためにデビューさせる可能性が高い(AS紙)」と見られている久保。ビジャレアルでの競争に敗れた若武者は、新天地で本領を発揮できるだろうか。

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構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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