自軍選手の振る舞い闘将が火を噴いた。

　現地時間１月３日に開催されたセリエA第15節で、インテルはクロトーネに６-２と大勝を飾った。ラウタロ・マルティネスのハットトリックなど怒涛のゴールラッシュで最下位の相手に地力を見せつけた。

　首位に立つ宿敵ミランを勝点１で追うインテルにとってこれ以上ない結果を掴んだ新年初戦。そんな大勝劇のなかで物議を醸しているのが、指揮官アントニオ・コンテとベテランMFアルトゥーロ・ビダルのやり取りだ。

　２-１とインテルがリードしていた36分だった。ビダルは自陣エリア内で仕掛けた相手MFアルカディウシュ・レツァと接触。これがVAR判定の末にPKとなると、33歳のチリ代表MFは猛抗議をしたのだ。

　主審に食い下がるビダルに対して、怒りを露わにしたのがコンテだ。ピッチサイドから強い口調で、こう叫んだのである。

「アルトゥーロ、いいからプレーをしろ！ こっちをイライラさせるなよ！ この畜生」
 

　その汚い言葉からも分かる通り、相当なフラストレーションを溜め込んだイタリア人指揮官は、前半終了後にビダルを交代させている。

　過去にもストレートすぎる気質が仇となり、選手やフロントと衝突することもあったコンテは、試合後もビダルについて厳しい言葉を投げかけた。

「ここには保証された場所はない。とくにアルトゥーロは他の誰かよりも、はるかに良いプレーをしないといけない。今の彼には継続性というものがない。何かを改善しなければならないことは本人も分かっているはずだ。チャンピオンズ・リーグやセリエAで困難が続いているのだから、黙々とやるべきだよ」

　ビダルにとってユベントス時代も師事した"恩師"であるコンテ。愛弟子への怒りは、有力紙『Gazzetta dello Sport』が「望んでいた人材とは別人となっていたチリ人に憤慨している証拠だ」と皮肉るなどイタリア・メディアでも小さくない話題となっている。

【動画】コンテがブチギレたビダルのPK献上シーンはこちら

構成●サッカーダイジェストWeb編集部