「彼らはクオリティーにあふれるが…」ザッケローニ、“日本人の弱点”を伊メディアで語る「水を飲むために失点した」

2020年12月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

セリエAで奮闘するサムライ戦士への評価は?

日本代表をブラジル・ワールドカップに導いた名将ザッケローニが、日本への想いを語った。 (C) Getty Images

 母国イタリアに戻っても、アルベルト・ザッケローニにとって、日本は特別な国であることに変わりはないようだ。

 かつて日本代表で辣腕を振るったザッケローニは、現地メディア『GIANLUCA DI MARZIO.COM』のインタビューで、現在セリエAで奮闘している二人のサムライについての持論を展開した。

 まず、サンプドリアに所属する吉田麻也についてザッケローニは、「彼は実質的に私のいたときに代表でデビューしたんだ。そしてゴールも決めていた」と回想。一方で冨安については、「非常に興味深い若者で、(シニシャ・)ミハイロビッチ監督は中央に置く前にサイドで育てた。賢い選択だ」と述べ、日本人の弱点を指摘した。

「彼らはクオリティーにあふれるが、ずる賢さが足りないことが多い。日本代表を率いていたときに、コーナーキックの場面で水を飲むために止まって失点したことがある。Jリーグのように主審が待つのが当然だとしていたんだ」
 
 いわゆるマリーシア(狡猾さ)が日本人には足りないという指摘は古くからある。一方で、ピッチ外ではその真面目さ・誠実さが日本の良い特徴としてとらえられることも少なくないのは確かだ。67歳のイタリア人指揮官は、「ロッカールームの鍵をかけずに個々の物を置いていたときを思い出すよ。周囲には我々のセレモニーに駆けつけた2万人がいた」と続けている。

「最後に部屋を出たときに、しまった物のことを少し心配した。だが、それも一瞬だった。すぐに自分が日本におり、日本ではそういうことは起きないということを思い出したんだよ」

 同メディアは、ザッケローニは、日本人が「個人主義でなくチームで勝つことに慣れている」と話したことを紹介したうえで、「ザックの心に入り込んだ国。そして逆もまた然り。トロフィーと結果……だが、それだけではない。いまだ明白な日本の人たちとの共感が生まれた年月だった」と伝えている。

 実際、ザッケローニに好感を抱いている日本のサッカーファンは少なくない。イタリアの名将と良い関係を構築できたことは、日本サッカー界にとって貴重な財産と言えるだろう。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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