<2020ベストヒット!>「誰も制御できなかった…」ブラジルで計8人が退場となる“大事件”! 前代未聞の事態に地元メディアも嘆き

2020年12月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

「子どもたちにあれを見せてしまったことが恥ずかしい」

宿敵同士のグレミオ(水色)とインテルナシオナル(赤)の両軍は、ピッチ上で前代未聞のバトルを繰り広げた。 (C) Getty Images

 2020年の名場面を『サッカーダイジェストWeb』のヒット記事で振り返る当企画。今回は今年3月に"サッカー王国"で起きた大乱闘を回想する。互いにいがみ合うグレミオとインテルナシオナルの"クラシコ"は、いつも以上にヒートアップし、誰の手にも負えない事態へと発展した――。

記事初掲載:2020年3月13日

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 サッカー王国ブラジルで文字通りの大乱闘が起きた。

 現地時間3月12日に行なわれたコパ・リベルタドーレスのグレミオとインテルナシオナルの一戦で、両軍の選手たちが入り乱れる大乱闘が起き、計8人にレッドカードが突き付けられる事態となった。

 同じポルト・アレグレを拠点とする両チームは、激しいライバル関係にあり、その"クラシコ"は毎回のように白熱するが、コパ・リベルタドーレス史上初となる対戦は、度が過ぎていた。

 グレミオの本拠地アレーナ・ド・グレミオで開催されたこの一戦は、開始前からサポーター同士が激しく罵り合う異様な雰囲気の中でキックオフを迎えると、当然、ピッチ上も荒れ模様となり、前半だけで5枚のイエローカードが乱れ飛んだ。

 そして、スコアレスで推移していた試合終了間際の88分に事件が起きる。タッチライン付近でペペ(グレミオ)とモイセス(インテルナシオナル)が起こした小競り合いをキッカケにベンチの控え選手やチームスタッフまでピッチになだれ込む大乱闘に発展したのだ。

 制御不能となった両軍は互いを殴り合う大暴れをした結果、ピッチ上でプレーしていた両チームの3選手ずつと控え選手1人ずつにレッドカードが掲示され、計8人が退場となる騒動となった。

 軍警察の介入などもあり、15分ほどの中断を経て、再開された試合はスコアレスドローで決着したのだが、その暴れっぷりは、地元メディアでも大きな話題となっている。
 
 ブラジル最大のネットワーク『Globo』は、「期待と緊張が先行したクラシコは8人の退場者を出す異例の結果となった。パンチとキックの応酬となった彼らを誰も制御はできなかった」と綴り、『ESPN』のブラジル版は、「計8人の退場者を出したこの"決闘"は、永遠に記憶に刻まれるだろう。両チームともに大きな罰金は免れられない」と重大な制裁を受ける可能性を指摘した。

 両チームの指揮官も反省の弁を述べている。グレミオのレナト・ガウーショ監督は、「いかなる理由があるにせよ、暴力は反対だ。プロのサッカー選手として恥ずべきことだ」と断じれば、インテルナシオナルのエドゥアルド・コウデ監督も、それに続くようにこう語った。

「最高の緊張感のなかで混乱が起きてしまった。あれは我々が望むようなものではない。多くのファン、そして何より子どもたちにあれを見せてしまったことが恥ずかしい。もっと強くならなければいけない」

 南米でも屈指の知名度を誇る両チームが起こした"大事件"は、南米サッカー史に泥を塗る形となってしまった。

【動画】世界に衝撃を与えた8人退場! グレミオ対インテルナシオナルの大乱闘シーンはこちら

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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