エメリ監督はなぜ久保建英ではなく左SBをスタメン起用したのか? レギュラー不在でも先発落ちの厳しい現状が浮き彫りに…

2020年11月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

ELでは4戦連続で先発出場も…

M・ゴメスの欠場で先発のチャンスだった久保だが、出番が巡ってきたのは74分だった。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

 現地時間11月29日に開催されたラ・リーガ第11節で、久保建英が所属する暫定3位のビジャレアルは、同首位のレアル・ソシエダと敵地で対戦。ジェラール・モレーノとミケル・オジャルサバルという両エースがPKで1点ずつを挙げ、1-1のドローに終わった。

 注目の久保は、26日に行なわれたヨーロッパリーグ(EL)で先発したこともあり、ラ・リーガでは4試合連続のベンチスタート。ピッチに送り込まれたのは74分からだった。

 ラ・リーガとELの二足の草鞋を履くビジャレアルのウナイ・エメリ監督は、ターンオーバーを採用している。国内リーグではスタメンがわずか1試合の久保も、ELでは4戦連続で先発出場しており、欧州カップ戦要員になっているのは明らかだ。

 ただ、このソシエダ戦に関しては、スターターに名を連ねてもおかしくはなかった。左サイドのアタッカーとして、ここまでラ・リーガで全試合スタメンに名を連ねていたMFモイ・ゴメスが、故障で欠場したからだ。

【動画】久保建英にエメリ監督が激怒したシーンはこちら
 だが、エメリ監督がチョイスしたのは、久保でもライバルのサミュエル・チュクウェゼでもなく、攻撃力があるとはいえ、左SBが本職のアルフォンソ・ペドラサだった。左SBのベルビス・エストゥピニャンとともに、SBを縦に並べた意図を、指揮官は試合後に明らかにしている。

「モイがいなかったので、リズムのあるペドラサを好んだ。若手もいたが、もっと成熟して経験を積んだ選手がいいと思った」

 若手というのは、久保やチュクウェゼ、売り出し中のジェレミ・ピノらのことだろう。リーグ6連勝中の首位チームとのアウェーゲームということで、守備を意識したという側面もあっただろう。また、この日本代表MFが左サイドでは精彩を欠いている点も考慮したはずだ。

 いずれにしても、久保がこうした大一番で先発で起用されるまでの信頼はまだ得られていないという厳しい現状が、この一戦で明らかになったと言えそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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