「怪我人は彼のせいで…」クロップの提唱する5人交代制にリバプールOBが異論!「私はうめき声を上げたことがない」

2020年11月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ベストプレーが見たい」とも主張

過密日程による影響を緩和すべく、クロップが訴え続けている5人交代制の効果にOBが疑問を呈した。 (C) Getty Images

 コロナ禍においてイングランドでは、過密日程が問題視され続けている。

 莫大な放映権を支払う放送局の都合が優先されているとも指摘されているこの問題に対し、自軍に怪我人が相次いでいるリバプールのユルゲン・クロップ監督は、他の主要リーグで導入されている選手交代の人数を3から5枠に増やす新ルールの導入を訴えているものの、下位クラブの反対もあり、プレミアリーグの上層部は二の足を踏み続けている。

 現地時間11月28日に開催されたブライトン戦後には、クロップ監督が英放送局『BT Sport』のインタビュアーに激怒し、「私は戦術的な意味だけで交代枠の拡大を求めているんじゃない。選手たちを守るために言っている」と、一向に改善されない現状への不満を漏らした。

 そうしたなかで、クロップの意見に興味深い見解を示したのは、元イングランド代表MFのダニー・マーフィーだ。かつてリバプールでも活躍した名手は、自身がゲスト解説として登場した英公共放送『BBC』の長寿ハイライト番組『Match of the Day』で持論を展開した。

「彼らは12時半開始の試合を2、3試合こなしているが、問題なく対処していた。だから、交代枠を5人にして効果があるかはあまり考えにくい。この議論の熱量を弱めてしまうかもしれないがね」
 
 さらにマーフィーは、リバプールの主力選手たちに怪我人が相次いでいる状況について、「その人数の多さはクロップの技量のせいでもあるんじゃないか」とコメントした。

「私が現役だった時は、プレー中に何か苦しいとか限界だとうめき声を上げることはなかった。だからいつプレーするかは大きな問題ではないんだ」

 一方で、「私も選手たちのベストなプレーを見たいのは同じだ」とも主張している。

「ファンだけでなく、私たち解説者も、最高の選手たちを見たいと思っている。それにEUROも近づいている。だから、もしも5人交代制が最適な案だというのであれば、導入すべきだと思う。何よりも選手を守るための正解を導きだしてほしい」

 クロップを中心に過密日程の影響を緩和するために、様々な議論が交わされているイングランド。5人交代制はビッグクラブ有利という意見も少なくないが、最適な答えは出るのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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