「心の準備はしていた…」マラドーナの死に“将軍”プラティニが怒り!? 「彼を利用した人々は助けようとしなかった」

2020年11月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

カルチョを彩ったライバルを想う

創造性溢れるプレーでイタリア・サッカー界を彩ったプラティニ(左)がマラドーナ(右)の突然すぎる悲報に思いの丈を打ち明けた。 (C) Alberto LINGRIA

 突然、この世を去ったサッカー界の英雄に対する哀悼の輪は広まり続けている。

 現地時間11月25日、元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナが永眠した。享年60。死因は心停止と見られている。

 サッカー界に数々の伝説を残した世紀のスーパースターの突然すぎる訃報に、同業者たちから続々と追悼コメントが届いている。ユベントスなどで活躍した元フランス代表MFのミシェル・プラティニもその一人だ。

 80年代後半にナポリに所属したマラドーナとイタリアのカルチョを彩った"将軍"は、かつてのライバルへの想いをフランス有力紙『L'Equipe』のインタビューで「サッカー界においては大きな損失だ」と語った。

「間違いなく損失であり、大きな悲しみだ。だが、ここ最近で彼に起こっていたことを考えて、そういったことがいつか起こるかもしれないと考えていた。ある日、ラジオでディエゴ・マラドーナが亡くなったという一報を聞く心の準備はしていたんだ」

 今月3日には、頭部左側に硬膜下血腫で緊急手術を行なうなど、健康面の不安が報じられていたマラドーナ。その"死"を予見していたというプラティニは、さらにこう続けた。

「私は彼が動くのも、話すことも、難しいと聞いた時に最悪の知らせに備えた。ただ、いざそういう日が訪れると頭と心の中で何かが掻き立てられる。そしてそれはとても受け止め難く、憂鬱な何かだ」
 

 そして、プラティニは、「マラドーナは子どものような王様だった」と別れを惜しんだ。

「私は現役時代から彼の過ちを責めたりはしなかった。だが、彼の周囲は責め立てた。そしてマラドーナが苦しんでいた時に彼を利用してきた人々は助けようとはしなかった。彼はヨハン・クライフと並ぶ国の英雄だというのにね。

 彼はサッカー界の王様であり、祖国の子どものような存在だった。だから誰もが関心を抱き、彼を愛していた。仮に私やジダンがこの世からいなくなったとしても、フランスで3日間も国民が喪に服すなんてことは起きないと思う」

 プラティニが「誰からも愛された」と称えた英雄の死は、しばらくサッカー界で影響を及ぼしそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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