【浦和】春の珍事!? ペトロヴィッチ監督が紅白戦でGKに!

2015年03月26日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

専修大の特別指定選手、福島に代わってパスも披露。

紅白戦でGKを務めたペトロヴィッチ監督(右から二人目)。実際に何本かビルドアップの起点になるパスを披露した。

「俺がゴールキーパーをする!」

 春の珍事――!? 花見の名所で知られる大宮公園の桜の開花宣言があった3月26日、浦和レッズの大原練習場に、そんなペトロヴィッチ監督の声が響いた。
 
 この日の浦和は午前と午後の二部練習が組まれ、午後は9対9の紅白戦を実施。3バックで知られるミシャ(ペトロヴィッチ監督の愛称)だが、西川と槙野の日本代表組が不在で、加えて興梠(日本代表に選ばれたものの怪我のため離脱)、柏木、李らが負傷による別メニューとあって、システムは4-2-2-1と珍しく「4バック」が組まれた。

【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・3節

 指揮官は選手たちに攻守の素早い切り替えを要求。CFを務めた石原によると、「ビルドアップとサポートの質の意識付け」に主眼が置かれた。良かったプレーには「ブラボー!」の褒め言葉が、悪かったプレーには厳しい声が飛ぶ。

 その紅白戦の最中、ペトロヴィッチ監督が一旦プレーを止めた。

 すると、特別指定選手としてチームに帯同している専修大学のGK福島春樹のもとまで行って(2016年シーズンの加入が内定)、「もっと攻撃の起点になることを意識するように」とアドバイスを送る。だが、そのあともテンポがなかなか噛み合わずにいるのを見ると、監督がベンチコートを脱いで、冒頭のように言って、福島のポジションについたのだ。

 シュートでプレーが途切れるまでの数分間だったが、57歳になるペトロヴィッチ監督は実際にゴールマウスの前でプレー。自らチーム全体をコントロールしながら、何度か"起点"になるパスも披露した。

 その効果もあったのか、その後は石原のニアを突いたスライディングショット、梅崎、高木、関根の2列目からの鋭い飛び出し、阿部の豪快なショットなど、好連係から数多くのゴールシーンが生まれた。

「テンポが悪いのは自分でも感じていました。(監督から「代われ」と言われ)いやあ、悔しかったです……」

 GK福島はそう言って唇を噛み締めた。

 それでも「大学では気付けないことばかりです。ボールを持ってからなにをするか考える、というプレーでは遅すぎますから。そこを再確認できました」と、むしろプロとしての課題を見出せたことを真摯にプラスとして受け止めていた。

 最後に全員で円陣を組んだ際にも、ペトロヴィッチ監督が5分ほどビルドアップに関して熱弁。11人が不在とはいえ、非常に熱のこもった練習が行なわれた。

 紅白戦の組分けは次のとおり。

■A組■
GK大谷(福島)
DF平川、森脇、永田、橋本
MF阿部、青木、梅崎、高木
FWズラタン

■B組■
GK岩舘
DF岡本、加賀、那須、天野コーチ
MF鈴木、茂木、小島、関根
FW石原
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