「クロップの忍耐も限界に近い」南野拓実の苦境をリバプール専門メディアもレポート! 挽回の可能性は――

2020年11月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

ジョッタの大活躍の煽りを受け…

熾烈な競争で後退しつつある南野は、ここから挽回できるだろうか。 (C) Getty Images

 今まさに黄金期を迎えているのが、リバプールだ。

 ユルゲン・クロップ体制6年目を迎えたチームは、怪我人の続出など相次ぐ不運に見舞われながらも、地力の強さを発揮。現地時間11月22日には、プレミアリーグで優勝を争う難敵レスター・シティに3-0と勝利し、1981年に打ち立てられた本拠地での連続無敗記録を「64」に塗り替えた。

 しかし、好調のレッズにあって苦境に立たされているのが、日本代表FWの南野拓実だ。

 アーセナルとのコミュニティーシールドでゴラッソをねじ込むなど、好調を保ったまま、プレミア挑戦2シーズン目を迎えた南野だったが、プレミアリーグでの出場時間は5試合で、わずか56分間のみ……。さらに今夏に入団したディオゴ・ジョッタの公式戦4試合連続ゴールを含む7ゴールを叩き出す活躍ぶりもあり、25歳の日本人はベンチを温める日々を送っている。

 22日のレスター戦では、疲労が懸念されたサディオ・マネに代わって89分から起用された南野。その出場を受け、地元紙『Liverpool Echo』からは「Good evening sir(こんばんは)」と皮肉交じりの短い寸評を綴られた。

 存在感が希薄になりつつある南野だけに、リバプールの専門メディアからも厳しい評価が下されている。レッズのあらゆる情報を網羅する『Liverpool.com』は、「ミナミノはリバプールで試練の時に直面している」と日本代表FWの現状をレポートした。

「日本代表でのパナマ戦でペナルティーキックを決め、インターナショナルブレイクで感銘を与えたミナミノだが、彼はリバプールのキャリアで早くも重要な時期を迎えている。ジョッタがクロップの試した新システムにフィットし、爆発的な活躍をしたことで、ミナミノはポジション争いから後退した」
 
 さらに同メディアは、「苦しかった時にクロップが頼ったのは、ミナミノではなくジョーンズとシャキリだった」と綴ったうえで、「ミナミノは試合に影響を与えるのに絶えず苦労している」と続けた。

「クロップが主に使ってきた4-3-3のシステムでは、繊細かつクリエイティブなミナミノには合わない。ドイツ人監督はフィルミーノのように9番の役割を日本人FWに与えたが、明らかにフィットしていない。

 フィルミーノはその役割の達人であり、卓越したテクニシャンだが、ミナミノは全くの別タイプだ。彼はセンターバックを背負えるプレーヤーではなく、より深い位置で、素早く危険なプレーが出来る選手である」

 南野が苦しい立場にあることを改めて主張した同メディアは、レポートの最後をこう締めている。

「リバプールは試験的な戦術を試しており、そのいくつかは興味深く、予想だにしない結果に結びつく可能性がある。ミナミノが再起にかけるとすれば、ここに絡むことだ。しかし、あまり悠長な時間はなく、彼は今すぐにアピールをしなければいけない。チャンスはとうに使い果たしており、クロップの忍耐も限界に近くなっているからだ」

 専門メディアから痛烈な批判を受けた南野。リバプールは、今週25日にアタランタ戦(チャンピオンズ・リーグ)と、28日にブライトン戦を控えており、クロップ監督がローテーションを採用する可能性は少なくないが、背番号18に名誉挽回のチャンスは回ってくるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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