【名古屋】金崎&山﨑不在の前線はなぜ活性化したのか?湘南戦で生まれたスーパーゴール3発を振り返る

2020年11月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

阿部浩之は「コンビネーションも出始めている」と手応えを語る

FW不在だからこそ良さが出ている部分もあると語る阿部。写真金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ28節]名古屋3-1湘南/11月21日(土)/豊田スタジアム

 前半は1-1と先制しながらも同点に追いつかれ、試合後にマッシモ・フィッカデンティ監督も「もたもたしてしまった」と語る展開だったが、後半2ゴールで突き放し3-1で勝利を収め、名古屋は暫定ながら2位に浮上した。

 FWの金崎夢生と山﨑凌吾のふたりを負傷で欠き、湘南戦では純粋なセンターフォワードが不在で挑んだのになぜ3点も奪えたのか。

 1点目は、11分に湘南がカウンターを発動しかけた矢先に、マテウスが敵陣中央でボールを奪うと、相手のプレスが弱まりエアポケットのような一瞬の隙をついて、左足で強烈なミドルシュートを放った。

 マテウスの個人技によるところが大きそうだが、指揮官も「練習の時から、湘南はかなり人数をかけてゴール前を固めてくるので、外からも打っていかないといけないということは何度も言っていました。それをしっかりと形にできたのが素晴らしかったと思います」と称賛するようにチームとしての狙いでもあったという。
 
 2点目は51分、阿部浩之が前田直輝からの落としをダイレクトでシュート。ディフェンスやGKのわずかなシュートコースに流し込む美弾だった。

 試合後に阿部が「ああいう自分たちでスペースを空けて、そこを(前田)直輝が使って、またそこにみんなが絡んでいくという良い攻撃ができたと思うし、そういうシーンを自分たちから意図的に作れるようにというのが、これからも必要」と言うように、目指すべき形で取れたゴールだった。

 それは前線で広く動き、身体を張ってポストプレーをしてくれる金崎、山﨑の両選手がいない今だからこそより研ぎ澄まされた形になったという。

 阿部は、「苦しいときにアバウトに(ボールを大きく)出すということは違うと思うし、そういうのが良い攻撃に繋がっていると思います。今は前が僕とシャビ(ガブリエル・シャビエル)ということもあって、後ろの選手もよく見ながらやってくれるようになっていますし、サイドの選手のポジショニングも良くなっている」と振り返った。

 また、それにより「コンビネーションも出始めている」「良い方向に向かっていると思う」と言うように、中盤での稲垣祥の守備から、多くの選手が連動し、この日のダメ押し弾を、G・シャビエルが決めた。名古屋の10番は、昨日長男が誕生したばかり。みんなで行なったゴール後のゆりかごダンスにこの日の充実ぶりが集約されていたようだった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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