【鹿島】コロナ陽性者、怪我人、出場停止選手…限られたメンバーでザーゴ監督はいかに指揮を執るか

2020年11月19日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「それを1試合だけでなく、毎試合、表現し続けなくてはいけない」

感染予防の徹底などさらなる陽性者が出ないように注意喚起するザーゴ監督。週末の仙台戦に向けては「どれだけ自分たちのやり方をやり通せるか」を勝負のポイントに挙げる。(C)KASHIMA ANTLERS

 厳しいチーム状況で、リーグ終盤戦を戦わなくてはならない。新型コロナウイルスの感染者1名、濃厚接触者6名が判明し、怪我による戦線離脱者もいる。ザーゴ監督は「今はもう人数が限られている。とにかく怪我人を出さないこと。あとは全員が感染対策をしっかりやり続けることが重要」と注意喚起する。

 この2点以外で指揮官が改めて強調するのは「退場者を出さないこと」だ。10月31日の25節・名古屋戦ではファン・アラーノが警告2枚、直近の27節・川崎戦では三竿健斗が一発レッドでそれぞれ退場処分に。思うようにチームを編成できない現状で、ピッチ上で数的不利を強いられれば苦戦は免れず、さらに出場停止の選手が出てくれば「自分たちのリーグ戦における目標を達成するのが難しくなってくる」(ザーゴ監督)のは当然だろう。

 チームが目指すのは、来季のACL出場権の獲得。各チームの消化試合の数にバラつきはあるものの、現在は6位につけている。ひとつでも多くの勝点が欲しいなかで、前節の川崎戦では試合直前の新型コロナの陽性者判明などで慌ただしくキックオフを迎えたが、粘り強い戦いぶりで1-1のドローに持ち込み、貴重な勝点1を手にした。選手たちの健闘ぶりを、ザーゴ監督も評価する。

「試合前のミーティングで選手たちに一番強調したのは、こういう状況になったが、やるしかないわけで、全員でやり切るということ。そういった意味で選手たちが非常に集中し、なおかつほぼ優勝するチームに対して互角に戦えたことは、本当に選手たちを称えなくてはいけないし、精神力、逞しさというものをチーム全体で持てるようになってきている」
 
 そして、すべてにおいて『継続』を重視する指揮官はこう続ける。

「それを1試合だけでなく、毎試合、表現し続けなくてはいけないし、体現しなくてはいけない。それが我々に求められること。週末から3連戦(11月21日の仙台戦、同25日の柏戦、同29日の浦和戦)がスタートします。限られたメンバー全員で乗り越えていくということは話をしました。今いるメンバーで最善の策をやり遂げなくてはならない。そのミッションをみんなで力を合わせてやっていく」

 残り5試合。チームの底力を見せられるか。まずは今週末のアウェー仙台戦。最下位に沈むチームだが、ここ2試合はG大阪に4-0、FC東京に2-2と持ち直してきている。もっとも、ザーゴ監督は相手のことよりも「まず自分たちがどれだけ自分たちのやり方をやり通せるか、やり続けるか」を勝負のポイントに挙げる。ラストスパートに弾みをつけられるような勝利を手にしたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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