【高校サッカー】今季前哨戦の「大垣フェスティバル」で上々の仕上がりを見せたのは?

2015年03月23日 安藤隆人

準決勝で市立船橋を破った浜松開誠館が優勝!

全国高校サッカー選抜大垣大会を制した浜松開誠館。4月から始まるプリンスリーグに向け、弾みのつく結果を手にした。

 岐阜県大垣市を中心に開催される全国高校サッカー選抜大垣大会。今年で23回目を迎え、全国の強豪校が集まるこの大会は、レベルの高い春のフェスティバルとして知られる。
 
 今年の覇者となったのは、中京大中京を2-1で退けた浜松開誠館だった。「今年のチームはそこまで個々のレベルは高くない」と青嶋文明監督は語るが、準決勝の市立船橋戦では3バックを中心にチームのベースとなる守備が機能。今年に入って高校勢には一度も負けていなかった市立船橋に土を付けた。
 
 昨年は、松原后(現・清水)という大黒柱が君臨したが、今年のチームは山下隼輝、大場正輝、野中大貴の強固な3バックがベースとなる。しっかりとブロックを作って、奪ったら前線の3トップを活かしたショートカウンター。市船戦のようにはまれば相当な破壊力を持っている。
 
 準優勝の中京大中京は、非常に興味深いチームだ。「今年は適材適所で選手が揃い、チームとしてバリエーションを持って戦える」と岡山哲也監督が自信ありげに語ったように、飛び抜けた個はいないが、高いスキルと戦術的柔軟性を備えた選手が揃っている。
 
 CB重松勇気、MF今枝晃祐、辻星哉、加藤弘也などが中心となり、4-4-2や3-5-2、場合によっては3-4-3にも対応できるなど、戦術的な引き出しが多い。この大会では3-5-2がはまり、準決勝では作陽を相手に、2点のリードを奪うと、後半途中からは3-4-3にして、試合を決定付ける3点目を奪い、3-0の快勝劇を見せた。
 
 決勝では、4月のプリンスリーグ東海の開幕戦で両者が激突するとあって、レギュラーの半数を落として戦いに臨んだ。結果的に浜松開誠館が勝利したが、開幕戦はよりハイレベルな攻防が見られそうだ。
 
 3位となった市立船橋は、大会を通じてメンバーを入れ替えながら戦い、安定した戦いを見せ、4位の作陽はエース伊藤涼太郎をU-17日本代表合宿参加で欠くなか、FW原口知土を中心に高いポゼッションを見せた。
 
 いずれにせよ、ベスト4に食い込んだチームはハイレベルな戦いのなかで、課題と収穫を掴んでおり、いよいよ開幕するプレミアリーグ、プリンスリーグに向けて、良い調整ができたと言っていいはずだ。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)

◆大会の結果
全国高校サッカー選抜大垣大会
 
準決勝
浜松開誠館 2-1 市立船橋
中京大中京 3-0 作陽
 
3位決定戦
市立船橋 1-0 作陽
 
決勝
浜松開誠館2-1中京大中京
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