【サニックス杯】リベンジを果たせなかったU-17代表に見えた確かな成長

2015年03月19日 安藤隆人

随所で見られたU-16アジア選手権経験者たちの逞しさ。

作陽高の伊藤は、個性を発揮してチームを活性。昨年のU-16アジア選手権を経験していない選手の成長ぶりも光った。(写真:T.ANDO)

 昨年9月にタイで開催された、U-16アジア選手権・準々決勝。世界への切符を懸けた重要な一戦で、U-16日本代表は韓国に0-2で敗れ、今年開催されるU-17ワールドカップの出場権を逃した。
 
 あれから約半年。年齢がひとつ上がったU-17日本代表と韓国代表が3月19日、サニックス杯の開幕戦で再び激突した。この日、福岡県宗像市にあるグローバルアリーナは雨に見舞われ、ピッチには水が浮いてしまうような状態だった。
 
「このピッチ状況と韓国の戦い方を見て、セカンドボールを拾うことを意識した。ハイボールを競った後に、セカンドを拾って、そこからスペースをしっかりと使って攻める。相手の嫌なことをよりシンプルに仕掛けることを意識した」(内山篤監督)。
 
 日本は韓国のロングボールに対し、冨安健洋(福岡U-18)と森下怜哉(C大阪U-18)のCBコンビがしっかりと弾き返す。そこにボランチの渡辺皓太(東京Vユース)と伊藤洋輝(磐田U-15)が精力的に動いて、セカンドボールを拾い、MF佐々木匠(仙台ユース)、梶山幹太(名古屋U18)、FW岩崎悠人(京都橘高)、伊藤涼太郎(作陽高)のアタッカー陣にテンポ良くつないでいく。
 
「ここでリベンジしたい気持ちが強かった」と佐々木が語ったように、選手たちは、ピッチコンディションをものともせず、連動性の高さを披露した。
 
 17分、左CKの崩れから、渡辺皓がヘッドで合わせて先制すると、35分にはロングパスから抜け出した岩崎が、GKとの1対1を迎える。このシュートは相手GKのファインセーブに阻まれたが、日本は1点リードで前半を折り返す。
 
 後半早々に、PKで同点に追いつかれるが、日本は韓国の攻勢を弾き返すだけでなく、セカンドボールを拾ってショートカウンターと、終始リズムを掴む。
 
 だが、結果は1-1のまま突入したPK戦で敗退。リベンジは果たせなかった。ただそれでも、U-16アジア選手権を経験した選手たちの逞しさは確かに感じられた。

次ページこの年代に根深く残る〝結果につなげられない″課題も露呈。

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