【G大阪】“神出鬼没”の井手口陽介、そのスタイルはもはや単なるボランチの枠組みを超えている!

2020年11月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

大阪ダービーの熱戦に火をつける先制点をゲット!守備でも相手キーマンに隙を与えず

大阪ダービーで先制点を奪った井手口。神出鬼没のスタイルで攻守両面でG大阪を支えた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ26節]C大阪1-1G大阪/11月3日(火)/ヤンマー

 中9日で満を持して大阪ダービーに挑んだセレッソ大阪に対して、ガンバ大阪は北海道コンサドーレ札幌戦から中2日。日程的には不利なはずのG大阪だった。先制ゴールで熱戦に火をつけた井手口陽介は、攻守両面で大車輪の活躍を見せた。

 現在採用する4-4-2のフォーメーションでは大卒ルーキーの山本悠樹とダブルボランチを形成する井手口だが、もはやそのプレーぶりは単なるボランチの枠組みを超えている。

 磐田に期限付き移籍した遠藤保仁はかつて「変幻自在」のプレーで、中盤を支えたが、井手口のスタイルは「神出鬼没」に他ならない。

 アンカーを経験したことで守備のマネージメント力が増した山本がやや下がり目のポジションでセカンドボールを回収したり、スペースのケアを行なったりする一方、縦関係のボランチを形成することが多い井手口は時に最前線にもプレスを敢行。チームを黒子的に支えてきた背番号15が、このところ見せ始めている新境地を大阪ダービーでも見せつけた。

 いずれも守備力をベースにする両者の顔合わせだったが、立ち上がりから主導権を握ったのはダービー3連勝を狙うホームチーム。守勢に回る苦しい展開を一変させたのは32分に先制ゴールを叩き込んだ井手口だった。

 小野瀬康介のクロスをパトリックがリフティングを見せるような巧みなポストプレーで落とすとゴール前に走りこんできた井手口が左足で冷静にゲット。

「シュートうんぬんではなくて、一番いいことはタイミングよく上がれていることだと思う」と井手口は振り返ったが、前節の札幌戦に続いて2試合連続でゴールを奪っているのだ。

 守勢に回る展開が多かった大阪ダービーでは、中盤でボールを刈り取ったかと思えば、ゴールライン付近で相手のシュートに身体を投げ出したりとピッチの至る所で身体を張り、危険地帯をケア。個の力で相手の攻撃の芽を摘み取るだけでなく、セレッソ大阪の右サイドで浮いている戦術的キーマンのひとりである坂元達裕に対しても、福田湧矢や倉田秋任せにせず、目を光らせながら決定的な仕事を許さなかった。
 

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